米作家アーシュラ・K・ル・グウィン氏死去 

Ursula K Le Guin in New York City on 19 November 2014 Image copyright AFP

サイエンスフィクションとファンタジーの作品を多く発表し、世界的に愛された米作家、アーシュラ・K・ル・グウィン氏が22日、死去した。家族が23日に明らかにした。

しばらく病床にあったル・グイン氏は、オレゴン州ポートランドの自宅で亡くなったという。

ドラゴンや魔法使いが宇宙船と共存する作品世界を作り出し、人種や性差、階級など、現代の地球の様々な問題を取り上げた。

ル・グウィン氏は20作以上の小説と100篇以上の短編小説を発表し、世界中で何百万部も売り上げた。

ル・グウィン氏の本人認定ツイッターアカウントが23日夜、「アーシュラ・K・ル・グウィンの家族より、昨日午後に本人が安らかな死を迎えたことを深い悲しみとともにお伝えします」という声明が投稿された。

数多くの作品の中でも、特に若い読者向けに書かれた「ゲド戦記」シリーズと、住む人がみな雌雄同体の惑星を舞台にしたSFの傑作「闇の左手」(1969年)などが、特に知られている。

「機能不全の都市中産階級 の人間が登場する、現在形で書かれたフィクションは避けるようにしている」とル・グウィン氏は過去に述べている。

「そのせいで、新しい小説と出会うのが難しいときもある」

米ホラー作家スティーブン・キング氏は、「偉人の1人、アーシュラ・K・ル・グウィンが亡くなった。SF作家というだけでなく、文学の第一人者だった。宇宙への素晴らしい旅を」とツイートした。

ル・グウィン氏は半世紀以上にわたる作家生活で、米SFファンタジー作家協会による「ネビュラ賞」と世界SF大会で発表される「ヒューゴー賞」を繰り返し受賞した。

米児童文学の最優秀賞「ニューベリー賞」と「全米図書協会米文学功労勲章」も受賞した。

米議会図書館は2000年、米文化遺産への貢献を称えてル・グウィン氏を「リビング・レジェンド(生きる伝説)」に認定した。

著名人の書簡を紹介する英団体「Letters of Note」はル・グイン氏の訃報を受けて、かつてル・グイン氏が1987年に男性作家のみのSFアンソロジーに紹介文を書くことはできないと、編集者に断った手紙をツイートした。

ル・グウィン氏は1929年10月21日、カリフォルニア州バークレー誕生。「アーシュラ・クローバー」と名づけられた。

マサチューセッツ州のラドクリフ・カレッジで学び、ニューヨークのコロンビア大学で修士号を取得。1953年にフルブライト奨学生となった。

文化人類学に詳しく、無政府主義や老荘思想に影響を受けた。

1966年にデビュー作「ロカノンの世界」を発表。歴史学者のチャールズ・ル・グウィン氏と結婚した。3人の子供がいる。

(英語記事 Ursula K Le Guin: US fantasy author dies at home in Oregon)

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