6人に1人の子供が紛争影響下=セーブ・ザ・チルドレン

シリア首都ダマスカス近郊東グータの空爆現場で赤ちゃんを運び出す、シリア民主軍(SDF)のメンバー(今月7日) Image copyright Reuters
Image caption シリア首都ダマスカス近郊東グータの空爆現場で赤ちゃんを運び出す、シリア民主軍(SDF)のメンバー(今月7日)

6人に1人の子供が国際的な紛争地域の中で暮らしていると、慈善団体セーブ・ザ・チルドレンは新たに発表された報告書で指摘した。

子供たちは、武力紛争のリスクに過去20年間で最もさらされていると、セーブ・ザ・チルドレンは述べている。

最新の分析によると、3億5700万人の子供たちが紛争地域に住んでおり、1995年に2億人だった時点と比較して75%増加している。

シリア、アフガニスタン、ソマリアが子供たちにとって最も危険な場所と位置づけられた。

一般的に、紛争地域に居住している子供たちの割合が最も高いのは中東だ。5人に2人が戦闘や致命的な攻撃の現場から50キロメートル圏内に住んでいる。2番目はアフリカで、5人に1人が紛争地域に暮らしている。

リスク下にある子供たちの半分弱、約1億6500万人が「高強度」紛争地域に住んでいると分類された。

高強度紛争地域に住む子供たちは、国連が「深刻な違反行為」と呼ぶ、以下6点全てのリスクにさらされている。

  • 殺害あるいは重傷を負わせる
  • 子供の戦闘員募集や子供の利用
  • 性的暴力
  • 拉致
  • 学校と病院への攻撃
  • 人道的アクセスの拒絶

セーブ・ザ・チルドレンの報告書は国連や他の調査データを利用しているが、交戦中の勢力が記録したデータの範囲に「極端な隔たり」があることを批判している。

上記の懸念があるにも関わらず、国連が確認した事例の記録から算出すると2010年以来殺害および重傷を負わされた子供たちの数は300%増加しているという。

Image caption 紛争地域に住む子供たちの数 1990~2016年(セーブ・ザ・チルドレン調べ)

危険な地域に住む子供たちの数が増加した理由の一部には、町や都市部で発生する市街戦が「増加傾向」にあるからといい、さらに長期にわたる複雑な武力紛争に陥る傾向もあるという。

イエメンやシリアなどの国での、過激派組織による意図的な人道支援封鎖や長期的な包囲攻撃も理由の一部だ。

「武装勢力や地域全体を降伏させるための、包囲戦法や補給路を断ち飢餓に陥らせる戦法は民間人に対する戦争兵器として使われることが多くなってきている」と報告書は記している。

病院や学校に対する攻撃も、報告書によると「今や当たり前」になってきているという。

セーブ・ザ・チルドレンは、子供たちを守る国際的な法的基準が改善されたものの、世界中の当事者が「ますます残忍な戦法を活用するようになっている」と話す。

これには、少年兵の採用や子供への性的暴力などがある。セーブ・ザ・チルドレンによると、性的虐待は報告したがらない傾向にあるため、子供への性的暴力はあまり知られていない。

化学兵器や地雷、クラスター爆弾など、子供たちを殺したり後遺症が残るほどのけがを負わせたりしたことで知られる武器の使用は減少した一方で、他の脅威は依然として残っている。

報告書は、子供の自爆犯の使用や、兵士や民間人を無差別に殺害するたる爆弾や即席爆発装置(IED)などの武器がいまだに広く使用されているとも言及している。

Image caption 内戦で殺害された、または重傷を負わされた子供の数(セーブ・ザ・チルドレン調べ。グラフは、国連の報告書で確認されたケースのみを示しているため、実際の数字はより多いと思われる)

負傷や死亡のリスクに加え、戦争の影響がある地域の子供たちは多くの場合、基本的な公衆衛生や教育が足りておらず、栄養不良に陥っている。

セーブ・ザ・チルドレンは昨年、シリア人の子供の非常に多くが、「毒性の高いストレス」に苦しんでいると述べていた。長い間、戦争の恐怖にさらされているためだ。

「子供たちは、性的暴力から、自爆犯として使われるに至るまで、いかなる子供も受けるべきではない苦しみを味わっている」と話すのは、ヘレ・トーニング=シュミット事務局長だ。「子供たちの家や学校、遊び場は、戦場になってしまった」。

「子供へのこのような犯罪は、想像できる限り最も邪悪な虐待で、国際法の重大な違反行為だ」と加え、世界の指導者にさらなる対応を訴えた。

「子供への戦争」と題されたこの報告書は、1995~2016年に国際的にあった暴力行為の傾向について、セーブ・ザ・チルドレンとオスロ国際平和研究所(PRIO)が行った調査を基にしている。

2017年のデータはまだ未集計であるため、ミャンマーのような場所で最近拡大したものは完全には反映されていない。

報告書は、16日に始まる大きな影響力を持つミュンヘン安全保障会議に先立ち発表された。セーブ・ザ・チルドレンは、同会議が世界の指導者にとって、子供を保護する対策に合意する機会になるとしている。

(英語記事 One in six children 'affected by conflict' - Save the Children

この話題についてさらに読む