トランプ氏の元選対本部長らを追起訴 脱税罪など

マナフォート元選対本部長(左)と実業家ゲイツ被告 Image copyright Getty Images
Image caption マナフォート元選対本部長(左)と実業家ゲイツ両被告は、7500万ドル規模のオフショア基金を管理していたとされる

2016年米大統領選にロシアが介入した疑惑を調べている特別検察官は22日、ドナルド・トランプ米大統領の元選対本部長らを複数の脱税や銀行詐欺などの罪で追起訴した。両被告は昨年10月、大統領選とは直接関係のないウクライナに関する資金洗浄罪などで正式起訴された

バージニア州アレクサンドリアの大陪審がワシントン連邦地裁に提出した訴状は、トランプ陣営の選対本部長だったポール・マナフォート被告と実業家のリック・ゲイツ被告が、マナフォート被告の個人資産3000万ドル以上を税務当局から隠蔽(いんぺい)しようと共謀したとして、32件の罪状で追起訴している。ロバート・ムラー特別検察官による訴状はさらに、ゲイツ被告が自分の資産300万ドル以上も隠蔽したとしている。

訴えによると、両被告は自分たちの巨額資産を自分たちが管理する7500万ドル規模のオフショア基金を「通過させ」たという。両被告はさらに、2010~2014年にかけて、事実と異なると承知しながら虚偽の納税申告を提出したという。

ゲイツ被告は、こうして不当に得た資金を「家のローンや子供の教育費を含む個人の支払い」や、バージニア州の自宅リフォームに使ったとされる。

この追起訴に先立ち、ワシントン連邦地裁は同日、マナフォート被告について、自宅軟禁の解除を求める被告の請求を棄却した。裁判長は、被告がバージニア州やニューヨーク州に所有する住宅を保釈金の担保にするという約束は「不十分」だと判断した。

特別検察官は、マナフォート被告の自宅軟禁解除に反対していた。検察は、マナフォート被告の所有不動産は「その他の犯罪行動」に関連しており、差し押さえの事態になれば没収の可能性もあると主張していた。

ムラー特別検察官の捜査

マナフォート被告は、1976年のジェラルド・フォード大統領の再選運動に参加して以来、複数の大統領選で共和党の選挙運動に関わってきた。

2016年3月にトランプ陣営の選対本部長となったが、ウクライナの親ロシア勢力に顧問として協力していたことが問題視され、同8月に辞任した。

昨年10月には、2006年から2015年にかけてウクライナの親ロシア派政治家、ビクトル・ヤヌコビッチ前大統領とその政党の「未登録代理人」として活動し、オフショア口座を使った巨額の資金洗浄を共謀して私腹を肥やしたなど、ロシア疑惑とは直接関係しない12件の罪状で正式起訴された。

ムラー特別検察官のロシア疑惑捜査では、これまで19人が正式起訴されている。そのうち4人が、トランプ氏の元顧問。

マナフォート、ゲイツ両被告は、無罪を主張しているが、マイケル・フリン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、ロシア大使との会談について連邦捜査局(FBI)に虚偽供述したと罪を認めている。同様に、トランプ陣営の外交顧問だったジョージ・パパドプロス被告も、ロシアとの接触についてFBIに嘘をついたと認めている。

特別検察官の捜査にもとづき司法省は16日、ロシア人13人とロシア企業3社を大統領選介入の罪で正式起訴した。カリフォルニア在住の男性リチャード・ピネド被告は、個人情報窃盗の罪を認めている。

20日にはロンドン在住のオランダ人、アレックス・ファン・デル・ツワーン弁護士がワシントンの連邦地裁で、ウクライナ司法省関連の仕事をめぐりゲイツ被告と交わした会話について、米検察に虚偽の証言をしたと有罪を認めた。

(英語記事 Trump-Russia: New charges for Paul Manafort and Rick Gates

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