アルツハイマー研究者4人がブレーン・アワードを受賞

ミシェル・ロバーツ、BBCニュースサイト・ヘルス担当編集長

アルツハイマー病患者の脳(左)と、通常の脳の比較画像 Image copyright SCIENCE PHOTO LIBRARY
Image caption アルツハイマー病患者の脳(左)と、通常の脳の比較画像

デンマークのルンドベック財団は7日、毎年神経科学の研究に対して贈られる「ブレーン・アワード」をアルツハイマー病の研究者4人に授与したと発表した。褒賞金は100万ユーロ。多くの認知症の原因とされる主要たんぱく質の変化についての、長年の研究が評価された。

受賞したのはユニバーシティー・コレッジ・ロンドン(UCL)のジョン・ハーディー教授、ロンドン大学英国認知症研究所で所長を務めるバルト・デストローパー教授、ケンブリッジ大学のマイケル・ゲデルト教授、ミュンヘン大学のクリスチャン・ハース教授。4人の研究はアミロイドやタウといった有害なたんぱく質の強化を抑える方法を模索するもので、現在開発・研究が進んでいる多くの治療薬の基礎となっている。

アルツハイマー病をはじめとする認知症は全世界で5000万人の患者がいるが、進行を食い止める治療法は確立されていない。

打倒アルツハイマーの道

ハーディー教授の研究には、アルツハイマー病に関連する希少な欠陥遺伝子の発見などがある。こうした遺伝的エラーがアミロイドの強化につながり、神経細胞が破壊されるきっかけを作ってしまう。この現象はアミロイドカスケード仮説と呼ばれ、30年近くにわたってアルツハイマー病研究の主要な理論となっている。

ハーディー教授はハース教授と共に、アルツハイマー型認知症患者の体内でアミロイド生成が変化していく過程を明らかにした。

ゲデルト教授は、タウと呼ばれるたんぱく質が認知症で重要な役割を果たしていることを突き止めた。また、デストローパー教授は、セクレターゼと呼ばれるたんぱく質の活動を変化させる遺伝的欠陥がアルツハイマー病につながるプロセスを明らかにした。

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Image caption 賞金の使い道について語るハーディー教授(左)とデストローパー教授

UCLの英アルツハイマー研究所で最高科学責任者を務めるデイビッド・レノルズ博士は「アルツハイマー病の複雑な原因への理解に深く貢献した4人の優秀な科学者たちに賛美を贈りたい。3人が英国に拠点を構えていることは、この国が認知症研究の第一人者であることの証だ」と述べた。

受賞に際してハーディー教授は、新たな治療法が見つかるよう願っているとコメント。これまでに研究に協力した全てのアルツハイマー患者への感謝を述べた。

また、褒賞金の一部をアルツハイマー病患者の治療に寄付するほか、5000ユーロを英国の欧州連合(EU)残留を求めるキャンペーンに寄付する考えを明らかにした。ハーディー教授はブレグジットについて、科学研究にとって「紛れもない大惨事」と批判した。

(英語記事 Alzheimer's researchers win brain prize

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