米ホワイトハウス、鉄鋼・アルミ関税でカナダ、メキシコ除外を示唆

米政権が計画している金属製品への追加関税は他国から報復措置を呼ぶ可能性がある Image copyright Getty Images
Image caption 米政権が計画している金属製品への追加関税は他国から報復措置を呼ぶ可能性がある

米ホワイトハウスは7日、ドナルド・トランプ大統領が先週表明した鉄鋼やアルミニウムの輸入品に対する追加関税について、一部の国が除外される可能性があるとし、当初の姿勢を軟化させた。

サラ・サンダース大統領報道官は、国家安全保障の観点から、カナダやメキシコなど一部の国は「別扱い」をするかもしれないと述べた。

トランプ氏は今月1日、鉄鋼とアルミニウムの輸入品にそれぞれ25%と10%の関税を課すと表明。貿易戦争を懸念する声が上がっている。

欧州連合(EU)はこれを受け、バーボンやピーナッツバターなど米国からの輸入品を対象とした報復措置をとる可能性を示した。

サンダース報道官は、国内外で反対の声が出ている追加関税の大統領令にトランプ氏が今週中に署名すると語った。米メディア各社は、早ければ8日にも署名されると報じている。

一方でサンダース報道官は、「国家安全保障に基づきメキシコとカナダを別扱いする可能性があり、その過程を踏まえ、ほかの国にも広げる可能性がある。ケースバイケース、国ごとにだ」と付け加えた。

トランプ氏はなぜ追加関税を表明したのか

トランプ氏は、米国の貿易赤字への強い憤慨を表明し、他国が米国を何十年にもわたって「利用してきた」と主張している。

米国の鉄鋼・アルミニウム産業が、特に中国の安い輸入品のせいで、他国から「みっともない」扱いを受けてきたとするトランプ氏は、2016年大統領選での公約の一つに両産業の再建を掲げた。

トランプ氏は7日、ツイッターへの投稿で「父ブッシュ政権から現在まで、我が国では5万5000以上の工場がなくなり、製造業で600万以上の雇用が失われ、12兆ドル以上の貿易赤字が積み上がった。昨年の貿易赤字は8000億ドル近くだった。悪い政策とリーダーシップだ。また勝たなくちゃいけない!#MAGA(注:Make America Great Again=「米国を再び偉大にしよう」の略)」と述べた。(太字部分は原文では全大文字で強調)

トランプ大統領は先週、貿易戦争の懸念を否定し、「貿易戦争はいいこと」だとし、米国がそれに勝つのは簡単だと語った。

トランプ氏はすでに、メキシコやカナダの金属製品に追加関税をしない可能性を示唆していたが、米国にとって有利な北米自由貿易協定(NAFTA)の改定を条件にしていた。

メキシコとカナダは、鉄鋼製品の米国への主要な輸出国。

追加関税方針への反応

世界中で追加関税への懸念が表明され、各国の株式市場に動揺が広がった。

追加関税に対しては、米国の雇用を守らず、最終的には消費者の生活コストを押し上げるとの批判が出ている。

国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事は、世界経済の成長が損なわれるとして、貿易戦争に「勝者はいない」と警告した。

EUは、米国から輸入されるバーボンやピーナッツバター、クランベリー、オレンジジュース、鉄鋼製品、工業製品に関税をかける報復措置の計画を明らかにした。中国なども対抗策を検討している。

トランプ氏が所属する与党・共和党の議員らも懸念を表明しており、ポール・ライアン下院議長は、関税を「目的をより限定した、標的を絞ったもの」にすべきだと述べた。

6日には、ギャリー・コーン国家経済会議(NEC)議長の辞任が発表されている。

Image caption 米国が最も多くの鉄鋼製品を輸入する相手国(18年1月現在、米商務省調べ)

(英語記事 US metal tariffs: Mexico and Canada may be exempt, White House says

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