英・EU、ブレグジット後の移行期間について大筋合意

握手を交わすデイビス英ブレグジット担当相(左)とEUのバルニエ首席交渉官 Image copyright AFP/Getty
Image caption 握手を交わすデイビス英ブレグジット担当相(左)とEUのバルニエ首席交渉官

英国と欧州連合(EU)は19日、英国の「整然としたEU離脱」に向けた条約の「大部分」で合意した。英国のEU離脱(ブレグジット)後に設ける移行期間を2020年末までとし、期間中の英国の立ち位置を明らかにした。一方、英領北アイルランドとアイルランドの国境問題など解決すべき問題は残っており、欧州委員会のミシェル・バルニエ首席交渉官は「まだ道半ばだ」と釘をさしている。

今回、英国とEUが大筋合意したのは以下の条項。

  • 移行期間は英国がEUを離脱する2019年3月29日から2020年12月31日までとする
  • この期間に英国に入国したEU加盟国民およびEU加盟国に入国した英国民は、離脱前に入国した場合と同じ権利が与えられる
  • 英国は移行期間中、独自の貿易協定について交渉、合意および批准できる
  • 移行期間中の貿易協定はEUのものが適用される
  • 英国の漁業可能海域は期間中保障されるが、新たな条約が結ばれない限り、英国には期間中の2020年末まで、EUの共通漁業政策が適用される
  • アイルランドと国境管理を伴わない措置で合意しない限り、英領北アイルランドはEU単一市場および関税同盟にとどまる

デイビッド・デイビス英ブレグジット担当相はこの合意について、将来の永続的な関係構築を円滑に進めるものだと説明。バルニエ氏も「決定的な一歩」だと評価した。

ただ、英領北アイルランドをめぐる「予防措置」については、EU側が2017年12月の第1フェーズでの合意の要であり、「他の措置が見出せるまで」はこれを適用するべきだと主張する一方、テリーザ・メイ英首相は先に、この条項ではアイルランドとの国境が変わるため受け入れられないとしている。

メイ首相はドナルド・トゥスク欧州委員長宛の書簡で、昨年12月の合意を含むいくつかの条約について「さらなる協議」が必要だと説明。アイルランドとの国境問題は今後の経済・安全保障面での関係性を視野に入れた合意となるべきだと訴えた。

その上で、必要であれば既存のEU離脱の法的プロセスと並行して「追加の特別策」を協議する用意があるとしている。

また共通漁業政策に関する合意にも、離脱後直後に独自の漁業権を得られないとして、主にスコットランドから批判の声が上がっている。

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Image caption 漁業権をめぐる合意には、スコットランドから批判の声が上がった

英政府は、英領ジブラルタルをこの合意の対象に含めたこと、離脱プロセスを監視する共同委員会の設置など、多くの改善が見られたと強調。

デイビス氏は「この機会を逃さず、ここ数週間の勢いで前進すべきだ」「今回の合意で、英・EU間の良い契約締結が間近に迫っていることを確信した」と述べた。

BBCのアダム・フレミング記者(ブリュッセル)によると、今回の合意内容はEUの外相会合や欧州委員会などを経て、今週中にも英国を除くEU加盟27カ国による首脳会談で採択される見通し。また、第2フェーズの交渉に向けたガイドライン案も採択される予定だ。英国とEUは今秋までにこのガイドラインを元に将来の永続的な関係性をめぐる条約を結び、2019年3月の離脱までに関係各国での批准を終えたい考え。

(英語記事 The UK and EU agree terms for Brexit transition period

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