もしも大統領がムラー検察官を解任したら……米警察が暴動に備え

Mueller Image copyright Reuters
Image caption ロバート・ムラー特別検察官

米ペンシルベニア州ピッツバーグ市警は、2016年米大統領選のロシア介入疑惑を調べているロバート・ムラー特別検察官を、ドナルド・トランプ米大統領が近く解任するかもしれないと、暴動発生に備えている。警察本部長が捜査員たちに、「沙汰のあるまで」制服と暴動警備用の出動服を職場に持参するようメールで通達した。

米CBSニュースが入手したメールで、ビクター・ジョーセフ本部長は職員に、「中央ビジネス地区で大規模デモが起きる可能性について、情報を得た。デモは半ば自発的に、おそらくあっという間に起きる。トランプ大統領が近く、ムラー特別検察官を解任すると思われている。この場合、解任から24時間以内に大規模デモにつながる」と説明した。

「木曜日から追って沙汰のあるまで、すべての主要犯罪捜査員は、制服一式と身体防護用に支給されたすべての装備を、職場に持参するよう」と本部長は通達した。

しかしピッツバーグ市当局は、この判断はあくまでも念のためのもので、トランプ大統領の意向について何か承知しているわけではないと話している。

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ピッツバーグ市公共安全局のウェンデル・ヒスリック局長は、市当局があり得る出来事や脅威に備えるのは通常のことだと述べた。

「この場合、騒乱の可能性がどの程度あり得るのか検討していないし、大統領の意思決定過程について何も承知していない」

ムラー特別検察官は、2016年大統領選へのロシア介入疑惑のほか、トランプ陣営がロシア当局と結託していたかを調べている。

大統領は一貫して結託はなかったと主張し、ムラー検察官や連邦捜査局(FBI)による捜査を「魔女狩りだ」と呼ぶなど、強い不満を表明してきた。

Image caption ムラー特別検察官によるロシア疑惑捜査への支持率。赤が賛成、緑が反対、黄色が特に意見なし。左から、回答者全員、民主党支持者、共和党支持者、無党派層。ワシントン・ポストとABCの合同世論調査

リベラル派の市民団体「MoveOn.org」は、ムラー検察官解任に備えてデモ行動を計画している。しかし、CNNによると、同団体の計画と市警の通達との関連性は不明だ。

同団体のウエブサイトには、「あからさまな司法妨害に対して、素早く強力に反応するため、ピッツバーグで準備を整えている」と書いてあるほか、全米主要各都市で緊急デモが計画されているとも書いてある。

地元紙ピッツバーグ・ポスト・ガゼットによると、2300人以上がデモ参加者として登録している。

同市のビル・ペドゥート市長は、市警の捜査員に通達が送付されたと認めた。

市長はツイッターで、あくまでも警察の部内メモで、大統領が何をするつもりか何も内部情報を得ていないと批判に答えた。

「これは警察本部長が私服刑事たちに送った内部メールだ。大統領が何をするつもりなのか承知しているなど、言っていない。市民が合法的に集会してはならないとも言っていない。君たちの手が必要になるかもしれないから、制服を持ってくるようにと言っている。こういうのを用意周到と言う。陰謀論はもうたくさんだ」と市長は書いた。

一方で、上院司法委員会のチャック・グラスリー委員長(共和党、アイオワ州選出)は、ムラー検察官の解任をあらかじめ阻止する法案を検討すると述べた。

共和党のミッチ・マコネル上院院内総務は、仮に委員会がそのような法案を可決したとしても、本会議での採決は阻止すると釘を刺している。

(英語記事 Pittsburgh police prepare for protests if Trump fires Mueller

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