日本の逃走受刑者追跡、容疑者逮捕で終了

愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から逃走していた受刑者の平尾龍磨容疑者 Image copyright Matsuyama prison via NHK
Image caption 愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から逃走していた受刑者の平尾龍磨容疑者

愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から受刑者の平尾龍磨容疑者(27)が逃走していた事件で、愛媛、広島両県警は4月30日、広島市内で平尾容疑者の身柄を確保し、単純逃走容疑で逮捕したと発表した。数週間に渡って日本国民の注目を集めた捕り物劇が、ついに終わりを迎えた。

平尾容疑者は4月8日、「開放的施設」として知られる今治市の大井造船作業場から逃走していた。

警察は平尾容疑者の潜伏先とみられていた広島県尾道市の向島に、この数週間でのべ6000人以上の捜索要員を派遣。警察犬やヘリコプター、ドローンなどを用いて捜索を続けていた。

平尾容疑者はJR広島駅から600メートルほどの路上で身柄を確保された。向島から約70キロ離れた場所だった。

平尾容疑者は、殺人などの凶悪犯罪で服役していたわけではない。

窃盗罪で5年6カ月の懲役を受けた平尾容疑者は、壁や塀などがなく、自由に歩き回ることのできる施設に収容されていた。しかしこの仕組みは、平尾容疑者の場合には機能しなかった。

逃走後の最初の手がかりは広島県の向島で発見された。

一見したところ、面積約22平方キロに約2万2000人が暮らすこの島には、人が隠れやすい場所などないように思われる。

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Image caption 広島県の向島を捜索する警察官

しかし、ヘリコプターや警察犬、ドローンを用いたにも関わらず、平尾容疑者は発見できなかった。

捜索にあたった警察官が発見できたのは、指紋、平尾容疑者に盗まれたと思われる靴下や携帯電話、食べ残しなど、わずかな手がかりのみだった。

平尾容疑者は車を盗んだ際、所有者に向けて「お借りします。一切傷つけません」との趣旨のメモ書きを残したという。

たった1人の人間が何週にも渡って警察の手を逃れるという物語は、日本中のメディアで盛んに報道された。

逃亡事件や身柄確保の遅れを受けて山下貴司法務政務官は4月15日、今治市や向島を訪れ、住民に対して公式に謝罪した。

向島での身柄確保が成功しなかった理由の一つには、同島に山がちで森林が多くある地形に囲まれた約1000軒の空き家があったことが考えられる。

警察は空き家に捜査令状なしで立ち入ることが許されていなかった。

報道によると平尾容疑者は、最終的に逮捕された際、警察に対し海を泳いで本州に渡ったと供述したという。

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(英語記事 Japan's gripping manhunt ends in capture

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