車椅子でシリア脱出の16歳、大好きなドラマの出演者が彼女のために復活

Noujain Mustaffa Image copyright Fergal Keane / BBC
Image caption ヌジーン・ムスタファさん

車椅子でシリア・コバニを脱出してドイツにたどりついた16歳の少女が、アメリカで大きな反響を呼んでいる。アメリカの連続ドラマを観て英語を覚えたという彼女に、テレビのトーク番組司会者が注目し、彼女が大ファンだったというドラマの出演者が、彼女を称えるビデオに登場したのだ。

ヌジーン・ムスタファさんは、クルド人民兵組織とイスラム過激派勢力「イスラム国」(IS)などの戦闘で破壊されつくした北部コバニ出身。多くのシリア人と同様に故郷を離れ、4000キロを移動した。彼女の場合は、車椅子で。

逆境でも笑顔を失わないヌジンさんを、BBCのファーガル・キーン記者がハンガリー国境で取材した時、流ちょうな英語は、アメリカで長年続く昼の連続ドラマ「Days of Our Lives」を観て覚えたと話した。

米ABCテレビの取材には「日によっては朝の8時に起きて観てました。最高の番組で。でもお気に入りのキャラが死んじゃったの!」と話していた。

米ケーブル局HBOで深夜トーク番組を司会する英国人コメディアンのジョン・オリバーがこれに注目。欧州各国の移民受け入れを取り上げたコーナーで、「こういう子は自分の国に来てもらいたいじゃないか。来てもらいたくないはずなんかない」とヌジーンさんを称賛し、「特別にあなただけのためのサプライズがあります」と、特別に撮影したビデオを紹介。

それが「Days of Our Lives」のパロディで、ヌジーンさんお気に入りのキャラクター、EJ ディメラが、元の恋人のもとへ生きて返ってきたという内容。俳優ジェイムズ・スコットが自分の役柄をこのために復活させた。

Image copyright NBC
Image caption 俳優ジェイムズ・スコットさんは、いったん死んでしまった自分の役を、ヌジーン・ムスタファさんのために「復活」させた

ビデオの中で「EJ」は恋人に、「生き返るのは大変じゃない。何が大変かわかるか? 本当に大変なのは、シリアからドイツにたどり着くことだ」と言う。そして「コバニ出身の素晴らしい16歳の女の子の話を読んだんだ。ヌジーン・ムスタファっていう。そう、ヌジーン・ムスタファ」と言いながらカメラに向かってほほ笑んだ。

Image copyright Twitter
Image caption ジェイムズ・スコットさんは9月27日、ヌジーンさんのおかげで「EJディメラ」が最後に一度だけ復活できたことをツイッターで感謝
お使いの端末ではメディアプレイバックはご利用になれません
Noujain posted a video message online expressing her thanks to everyone involved

<英語ビデオ> 大好きな「EJディメラ」が自分のために復活したのを喜ぶヌジンさん

ヌジーンさんはハンガリー国境から次にスロベニアに入り、そこで一時、施設に収容されていたが、9月下旬には家族のいるドイツに到着。ドルトムントで亡命申請した。

大好きなキャラクターが自分のために「復活」したのを観たヌジーンさんは、「嬉しい。本当に嬉しい。本当にありがたいです。最高の日です」と喜んでいた。

この話題についてさらに読む