2019年のW杯開催国・日本でラグビー人気が花開く

Japan players celebrate victory over South Africa in the Rugby World Cup Image copyright Getty Images
Image caption 南アフリカに勝利した後の日本代表(9月19日)

ラグビー日本代表はイングランド開催のワールド・カップ(W杯)で南アフリカを破り、大方の予想を大きく裏切った。週末の試合結果次第では日本のラグビー史上初めて準々決勝に進むことになる。そうなればまたしても、大方の予想や事前オッズを大きく覆してみせることになる。

しかしたとえそれが無理だったとしても、「ブレイブ・ブロッサムズ」(勇敢な桜の花)はすでに歴史的な勝利を飾っている。1995年と2007年に優勝している南アフリカに勝ったのだから。

アジアからやってきたダークホースのその後の試合結果は、南アフリカ戦ほどではなかったかもしれないが、地元・日本でラグビー人気は高まりつつある。日本は2019年のW杯開催国でもあるだけに、ラグビー人気の再燃は大会にとっても朗報だ。

日本でラグビーはこれまでどちらかというと一部の熱心なファンに愛されてきたスポーツだが、南アフリカへの勝利によって一気に国民的な注目が高まった。その一方で、ラグビーの国際的な総括団体「ワールドラグビー」(WR)はこのほど、2019年大会の開催計画変更を承認した。開幕戦と決勝の会場だった新国立競技場が、建設計画見直しのため使用できなくなったからだ。

日本の新国立競技場は2020年夏季五輪のメイン会場となるだけでなく、2019年ラグビーW杯でも使われる予定だった。WRは代わりに、(2002年サッカーW杯決勝戦の舞台だった)約7万人収容の日産スタジアム(横浜市)で決勝戦を開催すると発表した。

「見れば夢中になる

日本のビジネス専門家で熱心なアマチュア選手でもある竹下誠二郎氏は、アジアで初めて開催されるW杯が、ラグビーにとって、そして日本にとっても、大きな転機となると考えている。

Image caption 竹下教授はラグビーの魅力を日本で広めようとしている

静岡県立大学経営情報学部の教授で、かつてロンドン・ジャパニーズ・ラグビー・クラブでキャプテンを務めた竹下氏は、「日本ではラグビーは十分に認識されていない」と話す。

「なかなか分かりにくいスポーツでもあるので、知られるようになれば、実際に試合を見る人数も確実に増えるだろう。観戦するようになれば夢中になること請け合いだ」と竹下教授。

日本代表が南アフリカ代表に歴史的勝利を収めた後、日本国内の関心は一気に高まり、次の対スコットランド戦は日本時間午後10時15分に始まったにもかかわらず、人口の約15%にあたる1950万人が観戦した。

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Image caption 日本のラグビー・ファンは今回のW杯を通じて世界に友達を次々と作っている

「(南アフリカ戦の勝利は)日本内外でとてつもない影響があったと思う」と竹下教授は言う。「日本にもできると世界に見せることができた。日本が2019年W杯を開催できるのかと疑う人は今はもういない」。

ビジネスと娯楽の両方を

日本はすでに経済対策の一環として観光の拡大を大きな目標にしている。それだけに2019年W杯は「大きな追い風となるし、日本にも大規模イベントの主催が可能だと認められるきっかけとなる」と竹下教授。

「世界に向けて日本を大々的に宣伝する絶好の機会だ。日本内外にとってメリットがあるし、日本は良い開催国になるはずだ」

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日本でラグビー新時代の到来か
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Image caption W杯を機に日本でラグビーへの関心が高まっている

「日本は交通やサービスが分かりやすく正確なことで知られている。とてもきちんとしたビジネスライクな社会なので、(ラグビーW杯は)自分たちはこういうのがすごくうまいんだと世界に見せる、とてもいいチャンスだ」

「加えて日本はビジネスだけでなく、レジャーにもすばらしい場所だと、ビジネスと娯楽を両方ミックスできる国だと、世界に示す機会でもある」

竹下教授は、日本はまだ世界に「十分理解されていない」と言う。「なので、大会運営の側面からも日本には成功させる能力があるし、それだけでなくて何度も繰り返し訪れるだけの魅力ある国だと示す、いいチャンスだと思う」。

タッチ・ラグビー

徳増浩司氏はラグビーワールドカップ2019組織委員会の事務局長で、英ウェールズ・カーディフに留学中にラグビーに魅せられて以来、ラグビーを愛し続けてきた。

Image caption 日本のラグビーはこれまで、大学や実業団チームが中心だった

日本のラグビーは今のところ大学や実業団チームを中心に行われているが、2019年W杯を機に日本の競技人口が増えて、幅広い人が関わるようになるだろうと徳増氏は期待している。また、日本各地の開催都市の学校や行事、地元自治体の支援も鍵になるという。

「小学校約2万校で、タッチラグビーを広めようとしている。タックルはしないので、男子も女子も楽しんで参加できる。2019年までには、すべての子供がラグビーボールに触ったことがあるようになるはずだ」

徳増氏はさらに、2020年東京五輪は東京のみで開かれるが、ラグビーW杯は日本各地の都市や町に経済的恩恵をもたらすことができると指摘する。その上、試合の行われる12都市のほかに、20カ所に練習キャンプが設けられるため、観戦に日本を訪れる観光客は大会の開かれる6週間の間にたくさんの地域を訪れることになるという。

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Image caption 徳増浩司氏は英ウェールズでラグビー・ファンになった

ラグビーを世界のスポーツに

新国立競技場の建設計画見直しで会場については二転三転したが、日本開催のW杯は必ず成功すると徳増氏は強調する。

「日本ラグビーフットボール協会は必ずW杯を成功させる自信がある。WRが日本にこのチャンスを与えてくれたのは、イングランドやオーストラリアや南アフリカといったラグビーの伝統が強い地域以外にもラグビーを広めるためだ」

「大きなイベントには最初から最後まで、何かと問題が起きるのはつきものだ。けれどいずれは『いろいろあったが大会を楽しもう』と言えるようになる」

「アジアは世界人口の6割を占める。日本で開く2019年W杯を通じて、アジア・ラグビーが発展し、いずれ世界に進出していけるよう、確実に貢献していきたい。私たちは、ラグビーを真の世界的スポーツにする特別な使命を担っている。だからこそ開催国として選ばれたのだし、与えられた使命は完全に果たすつもりだ」

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