黒人が日本で暮らすとどういう感じ?

Another picture from the documentary Image copyright YouTube / Rachel & Jun

「日本は黒人が大好き」

この言葉が、ビデオを一言で表している。外国人に冷たいというイメージが強い日本だが、そこに住む黒人たちが自分たちの暮らしを率直に語った1時間20分のドキュメンタリー「ブラック・イン・ジャパン」と、その抜粋版だ。YouTubeに投稿されて人気を呼び、再生回数は合わせて約20万回に達した。

ビデオにはアフリカ系アメリカ人を中心に、8人の黒人が登場する。日本での職業や滞在期間はさまざまだ。

「アメリカにいると『どうせ黒人だし』と見られてる感じだけど、日本の人たちは私たちにもっと期待してくれるし、応援してくれる感じがします」と語るのは、ブリタニーさんという女性。ミュージシャンのデイビッドさんは、日本には仕事のチャンスが多いと話す。「日本での少数派は特別な存在。米国では夢にも思わなかったようなことが、ここではできる。米国だと、少数派と言ってもアフリカ系アメリカ人はいくらでもいるから、その中に埋もれてしまう」と話す。

Image copyright YouTube / Rachel & Jun
Image caption ドキュメンタリーで日本の生活について語る、ジャマイカ出身の英語教師アンドレ・カニンガムさん

何人かが主なポイントとして挙げているのは、身の安全だ。日本の犯罪発生率は欧米の先進国と比べて非常に低い。人種差別に基づく暴力を受けたり、警察からことさら警戒される恐れからも守られていると、数人が口をそろえる。

「日本の方が居心地がいいし、安心できる。肌の色のせいで撃たれる心配もない気がする」とアヤナさんは言う。

ただしすべて好印象というわけではない。多くの日本人が黒人文化について無知で、むやみに髪や肌に触りたがるし、人種差別的な発言が多く、特に子どもにその傾向が強いというのは、数人が指摘する。

「黒人は通りすがりに特定の名前で呼ばれることがよくある。私はビヨンセとか、ホイットニー・ヒューストンとか言われる。全然似ていないのに」と言う女性もいる。

ドキュメンタリーを作ったのは、アメリカ人女性レイチェルさんと日本人男性ジュンさんの夫妻。2人はYouTube上にチャンネルを持ち、日本の日常生活についてビデオ制作を手掛けている。

「日本に人種差別や外国人排斥といった現象がないと言い切ってしまうのは軽率だ」

ビデオに登場したアンドレ・カニンガムさんは、BBCトレンディングへのメールでこう書く。「じろじろ見られることも確かにある。でも私がこれまでに経験したのは、ほとんどがささいなことです」

カニンガムさんは、ジャマイカ出身の英語教師だ。日本人が外国人の悪口を言うのも聞いたことがある。しかし実際に衝突するような場面は目にしていないし、日本で対立しがちなのはほかの国同士だと指摘する。

「文化的にしみついた負の感情があるようで、私のクラスにも韓国と中国は嫌いだと口にする生徒たちがいる」とカニンガムさんは話す。「この時代になっても、国籍や民族で差別される人がいるのは、とても悲しい。とは言え、同じような問題は世界中にあふれています」。

外国出身者が日本の人口に占める割合は、わずか1.5パーセント前後。多くの欧米諸国と同様、移民や人種の問題は日本でも論争の的だ。今年3月にはミス・ユニバース日本代表に、日本人と外国人の親を持つ女性として初めて宮本エリアナさんが選ばれた。またBBCトレンディングが最近のニュースで伝えたように、難民の少女を描いたイラストが一部から差別的との批判を招き、物議を醸している。

(マイク・ウェンドリンとエステル・ドイル)

(英語記事 What's it like to be black in Japan?

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