パリのような攻撃に遭ったら、どうすればいい?

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129人が死亡、400人以上が負傷したパリ連続襲撃のような規模の事件は、とても珍しい。政府当局はこうした危機に備えてはいるが、一般市民はどうすればいいのか?

心の準備を

パリ連続襲撃の生存者の多くは、銃声を花火や爆竹だと思ったと話している。生存者の心理に詳しい軍事サバイバル指導者のジョン・リーチさんは、これは典型的な反応だと言う。

銃声を聞くとは思っていない人たちは、銃声を聞いても別の何かだと思い込む。自分たちの予想にあてはまらないからだ。

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Image caption バンド「イーグルス・オブ・デス・メタルの」ファンたちは銃声を聞くことになるとは思ってもみなかった

「私たちは自分の頭の中の『型』に反応して、身の回りの環境に直接反応しない。そこにスキが生まれる」とリーチさんは話す。

何が起きているのか理解するまでにかかる時間が、致命的になることもある。しかしすでに、最悪のシナリオをいくつか想定してあれば、状況理解のプロセスは短縮される。「何かまずいことになったら自分はまずどうするのか。この自問自答をしておけば十分」とリーチさんは言う。

レストランや映画館にいて非常口のことなど考えない。これはよくあることだ。しかし非常口の場所を把握していれば、助かる命もある。13日夜のバタクラン・コンサート・ホールの事件では、警備員が舞台に向かって左側の非常口から、数人を誘導して助けている。

すぐ反応する

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攻撃を受けている最中には、ほとんどの人が混乱して何もできないはずだ。世界各地で起きる生命に危険を及ぼす危機的状況をリーチさんが検討したところ、自分の生存につながる役に立つ行為ができた人は15%に過ぎなかった。最大75%の人は周りの状況に混乱しきって何も反応できないし、残る10%の自分の生存確率を引き下げ、他の人の邪魔になる行動をとっているという。

確信を持って行動すれば、生存の確率が上がるかもしれない。しかしほかの人が動くのを待つのも、人間らしい反応だ。複数の人を部屋に入れ、煙で充満させて反応を見るという、有名な心理学の実験がある。自分ひとりでいた人の方が、複数人一緒にいた人より、率先して行動する傾向が強かった。

標的になりにくいように

「見えにくければ撃たれにくい」。元英軍兵士の軍事指導官で、警備会社「フォーマティブ・グループ」の最高経営責任者(CEO)を務めるイアン・リードさんは助言する。まず第一に、その場からどいて、自分が標的になりにくいよう、見えている体の面積を小さくするのが良いと。ただ単に地面に伏せるのも良いが、何かの後ろに隠れるのが一番良いという。

コンクリートの壁など強度のあるものの後ろに隠れるのが最善だ。

「ハリウッド映画では、どの自動車にも防弾能力があるかのように描かれているが、そうとは限らない」とリードさんは注意する。それでも、何もないよりは車に隠れた方がいい。

非常に狭い場所で攻撃が起きる場合、1発の銃弾が複数人の負傷につながることもある。相手の目に触れないようにすれば、意図的に狙われるリスクも減るし、無差別な乱射に当たってしまう危険も少なくなる。

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<英語ビデオ>バタクラン劇場の襲撃に遭遇した男性は自分の義足に命を救われたと話す

パリで生き残った人の多くは、本能的にそうしていた。テーブルをひっくり返して応急のシェルターにしたり、コンサート・ホールのスピーカーの後ろに隠れたり。しかしバタクランのライブ会場に身を隠せる場所は少なく、隠れられた人ばかりではなかった。

アイルランドの夫妻は死んだ振りをして九死に一生を得た。別の生存者、テレーサ・セデさんはBBCに「ひどい傷を負った男の人が、苦しんでうめいていたので、みんなで『しー、静かに。生きて。動かないで』と言ったんです。誰かが動くたびに、また発砲が続いたから」と話している。

襲撃犯は「動くものに目を配っている。動けば目に留まる」とリードさんは説明する。暗い場所では特にこれが顕著だと。

バタクランでは、犯人たちが銃弾を装填している間に何人かが、舞台を横切って出口まで走り脱出した。これには危険が伴うが、走って逃げるのが奏功することもある。

「流動的な立てこもり」に関する英国政府の提言では、安全な脱出ルートがあるなら走って逃げるよう助言している。しかし安全に逃げられそうにないなら、隠れるべきだと。英国政府はこれをまとめて、「走る、隠れる、通報する」と助言している。

13日の目撃証言によると、事務所やトイレに隠れて救出を待った人たちもいたという。

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<英語ビデオ>今年1月の襲撃事件で、襲われたスーパーで客をかくまった店員が当時を振り返る

今年1月のパリ連続襲撃でユダヤ系スーパーが人質事件の舞台になった時、24歳の従業員ラッサナ・バティリさんはユダヤ系の買い物客を地下の冷蔵室にかくまい、英雄と称えられた。バティリさんは冷蔵庫のスイッチを落とし、部屋の電気を切ってから、外に走り助けを求めた。かくまわれた全員が助かっている。

対抗する

銃撃犯を押さえ込む方法が成功した状況もいくつかある。今年8月にフランスで高速列車が単独の銃撃犯に襲われた際には、乗客4人が犯人を押さえ込んだ。しかし乗客4人のうち1人は米空軍兵でもう1人は米州兵だったし、乗客たちは犯人の銃がひっかかり動かなくなったのを見て初めて応戦に臨んだのだ。

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Image caption 8月にフランスで起きた高速鉄道の銃乱射で犯人に抵抗して倒した3人

リードさんは、訓練を受けずに襲撃犯に応戦するのは良くないと警告する。「自分の命を危険にさらすだけだ」と。多くの場合、襲撃犯は複数で連携しているはずだと念頭に置くのが大事だ。防弾・防刃の装備を身につけている者もいれば、爆発物を持っている者もいるだろう。

11日のベイルート連続爆弾攻撃では、自爆犯を後ろからタックルしたアデル・テルモスさんが大勢の命を救ったと言われている。しかし犯人の自爆チョッキは爆発し、犯人もテルモスさんも死亡した。

危険は伴うが、必要とあれば戦う覚悟は大事だという意見もある。心理学者で人質事件の公証人ジェイムズ・アルバレズさんは、過激派勢力「イスラム国」(IS)のメンバーは、人質をとろうとはしていないと指摘する。「交渉相手がいない。連中にとってあなたには死体としての価値しかない。撃たれると分かっているなら、自分がただ黙って撃たれたりはしないと思いたい」。

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Image caption バタクラン劇場では、窓枠からぶら下がった妊娠女性を男性が助け出した

脱出の後

危険な状況から脱出できた後は、警戒を続けることが大事だ。「できるだけ現場から離れて、できるだけ固いものの後ろに隠れて、そして一番近い当局に助けを求めるように」とリードさんは助言する。

近くに大勢の集団がいた場合、そこに混ざるのは危険かもしれない。公共の交通機関を使うのも同様だ。「ほかにも装置があるかもしれない、攻撃の第2弾があるかもしれないと、必ず想定するように」とリードさんは細くする。警官その他の公的な当局者の方が状況をよく把握しているかもしれないので、そうした人たちの助言をあおぐの大事だという。

助け合う

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大きな攻撃にまた巻き込まれる可能性は、まだ低い。しかしもしそうなったら、ほかの人と協力すると生存の可能性が高まるかもしれない。群衆行動に詳しい社会心理学者のクリス・コッキングさんはこう指摘する。

2005年7月7日のロンドン連続爆破事件の後、コッキングさんは巻き込まれた数十人からの聞き取りに協力し、大きな集団が最も素早く効率的に避難するには、その場にいる人たちが協力し合うのが一番だという結論に達した。

非常口に大勢が一気に押し寄せて出られなくなるなどの状況を避けるには、その場の人たちが協力し合うしかないのだという。ほとんどの人は、極端な状況下でも助け合おうとするものだとコッキングさんは言う。

「みんな自分のことしか考えないという思い込みがあるが、決してそうはならない」

(英語記事 What should you do in an attack?

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