三菱自動車はどうやって燃費データを操作したのか

タイヤの空気圧が問題となった Image copyright AFP
Image caption タイヤの空気圧が問題となった

三菱自動車は今週、日本国内で販売された軽自動車約62万5000台について、燃費性能に関するデータを不正に操作したことを認め、製造を中止した。

対象となったのは、自社製品として販売した「eKワゴン」と「eKスペース」の15万7000台に加えて、日産自動車が販売した「デイズ」と「デイズルークス」の46万8000台だ。

不正操作とは?

自動車メーカー各社は、他社モデルより良い燃費を売りにしようと躍起になっている。消費者がそれに注目するのは、環境にやさしく、ガソリンを入れる時にも財布にやさしいからだ。

燃費性能は、いわば「ランニングマシーン」のような装置に車両を載せ、ある速度で走らせ、燃料消費の効率を測る。

三菱自動車はその際に、タイヤの空気圧を上げて燃費データを良く見せていたとみられる。

例えば、自転車のタイヤの空気圧を限界にまで上げた状態で丘を上り、次は空気を半分に減らして同じ丘をもう一度上ったとしよう。2回目はずっと大変なはずだ。余分にかかる力を出すための筋肉が、車の場合は余分なガソリンになる。

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Image caption 自転車でも空気圧が低ければ上りはもっときつい

今回の問題は、独フォルクスワーゲンの排ガス規制逃れ問題があった後に続くものだが、事態は多少異なる。

フォルクスワーゲンは、自社のディーゼル車が当局の排ガス検査を受ける際に、検査結果を良くするソフトウエアを搭載していた。

つまり、フォルクスワーゲンは排気筒から出る有害物質の水準を操作し、自社製品が実際よりも環境にいい車だと装った。

一方、三菱自動車は燃費データを操作し、自社製品が実際よりもガソリンを効率的に使うように見せかけた。

「三菱」というブランド

「三菱」というブランドは、いささか紛らわしい。明治維新直後に海運業から出発した旧三菱財閥の系統につらなり、「三菱」の名を持つ独立した事業会社は、多数に及ぶ。

現在はそれぞれが完全に独立した形で事業を行っている。

そのため「三菱」という社名は、航空機から銀行、空調機、原子力から化学、光学、そしてもちろん自動車までさまざまな産業で目にする。

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Image caption 不正操作の対象となった「eKワゴン」の前でポーズをとる三菱自動車の益子会長

三菱自動車は国内のメーカー6位で、世界では16位の規模だ。

1960年代に大量生産を開始し、1977年に欧州市場、1982年に米国市場にそれぞれ参入。現在の生産台数は年間120万台余り。

今回の不祥事は三菱自動車で起きたが、ブランドが傷つくことによる影響は、三菱の名を継ぐほかの会社にも及ぶかもしれない。

過去の不祥事

三菱自動車が不祥事でニュースになったのは、今回が初めてでない。

2000年代初頭には、数十年にわたるリコール隠しがあったことを認めている。

当時は、1977年から不具合を監督官庁に報告せずに、個別に修理を続けていたことが内部調査で明らかになった。

リコール隠しの判明で、同社は大規模なリコール(回収・無償修理)実施に追い込まれ、刑事事件として社員数人が起訴され、多額の損失を被ることになった。

(英語記事 Mitsubishi Motors: How did it falsify its fuel economy data?

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