オーランド乱射 ゲイ・ナイトクラブを襲った容疑者とは

オマール・マティーン容疑者(
Image caption オマール・マティーン容疑者

米フロリダ州オーランドで12日未明、ゲイ・ナイトクラブで男が銃を乱射し、50人が死亡し53人が負傷した事件で、警察は犯人を米市民オマール・マティーン(29)と特定した。2013年以来、米連邦捜査局(FBI)が把握していた人物という。近年の米国で相次ぐ乱射事件の中でも最多の死者数を出したとされる容疑者は、警察との銃撃戦で死亡した。

FBIはマティーン容疑者がイスラム過激主義に「傾倒していた」ようだと言うが、オーランドでの銃撃が国内に限定されるテロ行為なのか、外国とのつながりのある国際テロなのかは不明だ。

一部報道によると、マティーン容疑者は銃撃の直前に救急電話「911」に電話し、「イスラム国」(IS)へ忠誠を誓うと告げた。ISは後に、IS「戦闘員」が攻撃を実行したと宣言したが、直接関与していたのか、単にそのきっかけとなったことを自画自賛しているのかは定かではない。

一方で容疑者の父、セディック・マティーン氏は米NBCニュースに対して、攻撃の動機に「宗教は何も関係ない」と話した。マティーン氏によると容疑者は最近、マイアミ市内で男性同士がキスするのを目にして「とても怒っていた」という。

息子が乱射事件を計画していたなど知らなかったと言う父親は、「国中と一緒で、ショックを受けている」と述べた。

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Image caption オーランド市警本部前で抱き合う人たち(12日)

犯人のこれまでについて様々な疑問が浮上するなか、FBIのロン・ホッパー特別捜査員は報道陣に、FBIが2013年に容疑者を2度事情聴取したと説明。自分はISとつながりがあると同僚たちに、過激発言をしたのが理由という。証拠不十分のため捜査は終了したが、2014年にも捜査線上に上った同容疑者を取り調べた。シリア紛争で自爆攻撃を実行したアメリカ人モナー・モハマド・アブサルハとの関連が疑われたためだが、このときも「実質的な関係」は見つからず、そこで捜査は終わったという。

FBIに把握されていたものの、マティーン容疑者はテロとの関与が疑われる監視者名簿に正式に掲載されていなかった。このため、フロリダ州の銃砲所持免許を合法的に所持することができた。

2007年以来、警備会社G4Sで武装警備員として働いていたという。

調べによると、自動小銃と短銃を手にナイトクラブ「パルス」を襲ったという。爆発物を持っていた可能性もあるが、確認されていない。

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Image caption オマール・マティーン容疑者はソーシャルメディアに「自撮り」写真を数枚掲載していた
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Image caption ニューヨーク市警の非公式シャツを着たマティーン容疑者の「自撮り」写真

マティーン容疑者はアフガニスタン出身の両親のもと、ニューヨークで生まれたが、後にオーランドから車で2時間ほど南のフォート・ピアースに移った。

元妻シトラ・ユスフィさんは、容疑者が精神的に不安定で暴力的で、自分を繰り返し殴ったと話している。

オンラインで知り合った後、2009年にフォート・ピアースで結婚したが、容疑者の暴力を知ったユスフィさんの両親が数カ月後にユスフィさんを救い出したという。

ユスフィさんは米紙ワシントンポストに、「不安定な人だった。いつも私を殴った。帰宅してたとえば洗濯が終わっていないとかそんなことで、わたしを殴り始めるような人だった」と話している。結婚中はあまり宗教に熱心ではなく、ジムで定期的に体を動かしていた。小型の短銃を所持し、非行少年の矯正施設で警備員として働いていた。夫妻は2011年に離婚したという。

ユスフィさんは12日、報道陣に対して、マティーン容疑者は双極性障害を患っていたと述べ、犯行動機はISや宗教だという意見もあるが、本当の原因は精神疾患だと話した。

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オーランド乱射 「精神的に不安定だった」と元妻

ゲイのクラブを「標的」に

報道によると、容疑者はレンタカーでオーランドの事件現場へ向かったと警察はみている。救急電話「911」への通話では、2013年ボストンマラソン爆破事件の実行犯、タメルランとジョハル・ツァルナエフ兄弟に言及したとの情報もある。

「TMZ」は、容疑者が同性愛者の集まる場所を意識的に標的にしたという捜査関係者の見方を伝えている。

ソーシャルメディアに容疑者が掲載した写真には、ニューヨーク市警の名前とエンブレムのついたシャツを着ているものもある。しかしニューヨーク市警は、容疑者とは何のかかわりもなく、シャツは普通に市販されている非公式のものだと説明した。

米メディアによると容疑者は2006年、「オマール・ミル・セディーク」から「オマール・ミル・セディーク・マティーン」に改名。

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オーランド乱射 落ち着いた「普通の子」だったと

父セディーク・マティーン氏はカリフォルニア州にある衛星テレビ局の番組を司会。番組ではしばしば、パキスタン政府批判やアフガニスタンの過激派勢力タリバンを支持する発言を繰り返していたという。

(英語記事 Orlando gay nightclub shooting: Who was Omar Mateen?

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