【リオ五輪】金銀銅以外でメダルにふさわしかったのは 可愛かった動物賞など

エストニアのマラソン代表、 レイラ、リーナ、リリーのルイク三姉妹。 Image copyright EPA
Image caption 最も紛らわしかったのは……。写真はエストニアのマラソン代表、 レイラ、リーナ、リリーのルイク三姉妹。

リオデジャネイロ五輪が21日、終わった。金銀銅のメダルを得た多くの選手のほかに、最も往生際が悪い負け方をした選手は誰だろう? あるいは最もスポーツマンシップを体現したのは? 招かれざる動物で一番可愛かったのは? 勝敗ばかりがすべてではない五輪。リオで目立った存在を振り返る。

○観客にとって最も紛らわしかったレース

・女子マラソン

ちょっと待って。彼女、さっき通過しなかった?

女子マラソンには1組の三つ子と、2組の双子が出場していた。

三つ子はエストニア代表のリーナ、リリー、レイラのルイク3姉妹だ。エストニアの出場枠は3人で、たまたまそっくりの3人がその枠に収まったのだ。

ルイク姉妹の1人が今年5月、BBCに「姉妹たちが調子いいと、私も嬉しい」と話していた。ただし、3人のうち誰なのか……。

ドイツの双子姉妹アンナ・ハーナーとリサ・ハーナー両選手は仲良く手をつないでゴールした。美しい姉妹愛と助け合いだと言う人もいれば、一部のまじめくさった大会関係者や故郷ドイツの新聞のように、競技を見下した行為だと批判する人もいる。

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女子マラソンにはもう1組、そっくりの姉妹が出場。こちらが一番早かった。北朝鮮のキム・ヘソンとキム・ヘギョン両選手は常に一緒に走り、タイムも100分の1秒に至るまでまったく同時にゴールした。

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ただし同着という順位付けができないため、2人は10位と11位として記録された。公式記録で10位になったのはキム・ヘソン。キム・ヘギョンがどう思っているかは不明だ。


○最も見事な雪辱

・サッカーのブラジル代表

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2年前のリオで開かれたサッカー・ワールドカップ(W杯)準決勝で、ドイツが地元ブラジルを7対1と情け容赦ない点差で下したあの試合は忘れられない。

ブラジルは今回、五輪を舞台に、世界王者ドイツに雪辱を果たした。スコアは5対4と特に驚くようなものではなかったが、それでもドイツをペナルティー・キック(PK)で倒したのだから大したものだ。「ドイツをPKで下した」などと言える人は、そうそういない。

ブラジルのFWネイマールは特筆に値する。スター選手の割に何もしないとブラジルのファンは、ジャージからネイマールの名前を消していたのだが、その数週間後についにネイマールは決勝のPKを決めたのだ。


○最悪の敗け方

ああ、これはいい種目だ。素晴らしい候補が何人かいる。協議の末、私たちはこの人たちを金に選んだ。

金――男子レスリングのモンゴル代表マンダフナラン・ガンゾリグ選手のコーチ陣

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すごい光景だった。まさに次の通りの展開だった。

ガンゾリグ選手は勝っていた。ウズベキスタンのイフティヨル・ナブルゾフ選手に対して7対6で勝っており、そのままいけば男子65キロ級で銅メダルだった。

しかし喜ぶのが速すぎた。最後の18秒間、ナブルゾフと組まずにその周りをぐるぐるし続けたため、審判たちが競技に参加していないとペナルティーを科した。コーチたちが抗議したところ、審判たちはナブルゾフの勝ちと判定したのだ。

ガンゾリグのコーチたちは激怒し、靴を脱いでフロアに叩きつけ、あまつさえは服を脱いでまで抗議した。

しかしガンゾリグの手に銅メダルは渡らなかった。

・銀――ドイツ・男子サッカー代表のロベルト・バウアー選手

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あららら。

サッカー決勝でブラジルに敗れつつあったドイツのMFロベルト・バウアーは、指で「7」を作り高く掲げた。明らかに、形勢が真逆だった2年前のW杯準決勝を意味しての仕草だろう。

褒められた態度ではないし、バウアーはその後、謝罪している。その謝罪はなかなか大したものだった。

バウアーはインスタグラムでこう書いた

「試合中、僕は感情にまけて行動してしまった。誰かを不快にさせたなら、1000回でも謝ります。あれほど温かく歓迎してくれる、幸せな人たちでいっぱいの国でサッカーができて、とてつもなく嬉しかった。ブラジルのすべての人、金メダルおめでとう」

何よりバウアーは、ポルトガル語でこれを書いたのだ。大したものだ。

・銅――米女子サッカー代表のホープ・ソロ選手

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米国の女子サッカー代表は16年間、五輪で無敗だったのだから、つらかったのは分かる。

しかしゴールキーパーのホープ・ソロ選手の反応は、懐が深いとは言い難かった。準々決勝でスウェーデンに敗れたあと、ソロは報道陣にスウェーデンは「臆病者の集まり」だったとののしり、「一番強いチームが勝たなかった」と発言した。

ソロは後に、「負けるってサイテー」とツイートしている


○一番可愛い侵入動物

・金――ゴルフ会場のカピバラ

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カピバラって? そうお尋ねのあなたにご説明しよう。世界最大のげっ歯類です。

いや、ちょっと待って。それだと、実際より悪質な印象だ。

泳ぎが得意な巨大モルモットを連想してみてほしい。まさにそれがカピバラだ。

カピバラはリオ五輪でカピバラはゴルフ会場を気ままにウロウロして、練習や本番の最中にもそこいらじゅうに現れた。

ゴルフコースの周りには水がたくさんあるので、なるほどカピバラがいても無理はない。

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・銀――ゴルフ会場のフクロウ

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水のほかにゴルフ場にあるものといえば?

砂だ。

そこで、アナフクロウの登場だ。

眼光鋭いアナフクロウたちは、五輪ゴルフ会場のバンカーを巣にして、期間中ずっとそこをすみかにしていた。

銅――ボート会場で跳ぶ魚

ボートとカヌーの競技会場になったロドリゴ・デ・フレイタス湖で、ボート競技を中継したBBC映像に、この大胆な魚の姿が捉えられていた。英女子ボート代表のリジー・ヤーノルド選手が画面キャプチャ映像をツイートした。


○最も見事な五輪デビュー

米女子体操のシモーン・バイルズ選手

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2012年のロンドン五輪には、シモーン・バイルズ選手はいなかった。当時はまだ15歳で、舞台袖で自分の出番を待っていたのだ。

そして今回リオで、見事に五輪デビューを果たした。

バイルズは今や米国のゴールデンガールだ。リオでは金4個と銅1個を獲得。見事な演技だけでなく、ニコニコと明るく快活な性格で、世界中の人の心を捉えた。


○最も感動的な物語

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難民選手団の競泳代表、ユスラ・マルディニ選手

シリアの戦火を逃れたマルディニ選手は、トルコからギリシャ・レスボス島に定員6人の船で渡ろうとした。しかし船には20人以上が乗っていたため、出港から間もなく浸水し始めた。マルディニ選手は泳げるほかの3人と一緒に海に入り、数時間にわたってレスボスまで船を泳ぎながら押し続けた。


○最も愛すべきアスリート

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中国競泳の傅園慧(フ・ユアンフイ)選手

100メートル背泳ぎで銅メダルをとった際の大喜びの表情で一躍人気となった傅選手は、生理になったとあっけらかんと話してスポーツのタブーを破り、ますますファンを増やした。


○最大の政治的瞬間

金――エチオピアの男子マラソン代表、フェリサ・リレサ選手が両腕で抗議のポーズをとった時。

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リレサ選手の仕草は一見すると特に意味がなさそうだが、エチオピアでは重要な意味をもつ。政府に激しく迫害されているオロモ族との連帯を意味するからだ。

「エチオピア政府は私の同胞を殺している。なのであらゆる抗議に私は同調する」とリレサ選手は述べた。

こうして発言した以上、自分は他国に移住する必要があるかもしれないと選手は話している。

銀――エジプト選手がイスラエル選手に応えなかった時

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柔道男子100キロ超級1回戦で、勝利したイスラエルのオル・サッソンが試合終了後、エジプトのイスラム・エルシェハビに握手しようと手を差し出したが、エルシェハビはこれを拒否した。国際オリンピック委員会(IOC)はこの行為を問題視し、エルシェハビを帰国させたと表明。一方でエジプトの柔道連盟は、予定通りに帰国しただけだと説明している。

エルシェハビはそもそも試合を棄権するよう国内から圧力を受けていた。出場はするが握手はしないという妥協案は、それでも意味するところがあからさまで、観衆からブーイングされた。

銅――地元の人たちがブラジル暫定大統領に抗議した時すべて

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ブラジル政界はひどい混乱状態にある。本来なら大会を見守るはずだったルセフ大統領は弾劾裁判を前に職務停止中だ。ルセフ派の市民は五輪会場でも、テメル暫定大統領の罵声を飛ばし、「フォラ・テメル(テメル出ていけ)」という横断幕を掲げた。


○最も優れた新規出場

・コソボ

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柔道女子のマイリンダ・ケルメンディ選手は52キロ級で金メダルを獲得した。

五輪初出場の国にとって、かなり悪くない結果だ。しかしケルメンディにとっては初五輪ではない。コソボの五輪参加がまだ認められていなかった2012年、二重国籍をもつケルメンディはアルバニア代表として出場した。地政学的にややこしい話だ。しかしその時のケルメンディは、予選敗退で終わった。

・難民選手団

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IOCのトマス・バッハ会長は、IOCの旗の下で出場した難民選手10人は、「世界中の難民に希望のメッセージを送る」ために選ばれたと語った。

男子マラソンに出場したエチオピア出身のヨナス・キンデ選手は「これでみんな平等だ。ほかの人と同じに、人間らしく競技に参加する」と喜んだ。

難民選手団はメダルをとらなかった。しかし国の内戦を逃れて難民キャンプで10年暮らした南スーダン出身のイエヒ・ブル・ビエル選手(陸上男子800メートル)は、選手団の意義は勝ち負けを超越していると話す。

リオ大会が始まる前からビエルは、「スポーツは僕に、何かの一部だという帰属意識をくれた。金や銀をとらなくても、難民として何かができると世界に示すつもりだ」と話していた。


○最も見事な個人記録

金――マイケル・フェルプス選手、メダル23個(もちろん今大会だけでなく、総計で)

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銀――ウサイン・ボルト選手、トリプル・トリプル(3種目3連覇)

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銅――カップルとして最多10個の五輪金メダルをもつ英自転車競技のローラ・トロット選手とジェイソン・ケニー選手

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○最もスポーツマンらしいふるまい

金――米国のアビー・ダゴスティノ選手とニュージーランドのニッキー・ハンブリン選手

陸上女子5000メートル走で接触して倒れた両選手は、互いを助け合い、フェア・プレー賞を授与された。

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銀――男子50キロ競歩のカナダ代表、エバン・ダンフィー選手

日本初の銅メダルを獲得した荒井広宙選手と接触したとして問題になった。荒井は妨害行為だと一時失格になったが、日本側の上訴を国際陸連が認めた。ダンフィーはこれに異議を唱えず、仮に裁定であらためて3位になったとしても「正々堂々とメダルを受け取ることができなかったはずだ」とコメントした。

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銅――敵対関係にある韓国と北朝鮮の女子体操選手が、和やかにセルフィー(自撮り写真)を撮影

女子体操の個人種目に出場した北朝鮮のホン・ウンジョン選手(27)と韓国のイ・ウンジュ選手(17)が7日、予選前の会場練習で、にこやかなセルフィーを撮影した。

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(英語記事 Rio Olympics: Cutest animals, and other alternative prizes

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