電車で化粧は「みっともない」? 日本のエチケット広告に賛否

車内の化粧について、一部の女性は電車会社にとやかく言われるべきことでないと不快感をしめした Image copyright Tokyu Corp
Image caption 車内の化粧について、一部の女性は電車会社にとやかく言われるべきことでないと不快感を示した

通勤電車の中で化粧をするのはエチケット違反か?――。ある日本の鉄道会社はそうだと考え、動画広告を制作した。

動画では、電車の席に座ってマスカラや口紅を塗る2人の女性が映し出され、その様子を見ている別の女性が「みっともない」とつぶやく。そして化粧をやめるように2人をとがめる。

これは東急電鉄が先月16日に公開したエチケット広告シリーズのひとつだ。しかし、一部からは乗客の行動に踏み込み過ぎだとして非難する声が出ている。

30秒の動画は、「都会の女はみんなキレイだ」「でも時々、みっともないんだ」という言葉で始まる。

電車で化粧する女性を注意する役は、女優の仁村紗和さんが演じている。動画は、「車内での化粧はご遠慮ください」という呼びかけで締めくくられる。

ツイッターユーザーの「龍堂薫子」さんは、「社内での化粧は、粉が飛び散ったり匂いがキツかったり車内や他人の服を汚す可能性があるから迷惑だしやめてねというのならわかるんですけど」とした上で、「鉄道会社にキレイだとかみっともないとか言われる筋合いはないと思います」とコメントした。

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Image caption 東急電鉄のエチケット広告から
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Image caption 東急電鉄のエチケット広告から

また「ししゃも」さんは、「みんなが怒っている理由は『電車で化粧がしたいから』では断じてない」とし、「『さまざまな理由を見つけ出して自己の女性に対する嫌悪を正当化し、女性を抑圧しようとする社会』に抵抗しているんだ」とコメントした。

酔っ払いや痴漢など、電車の中ではもっと迷惑な行為があると指摘した人たちもいる。

しかし、多くの人は東急電鉄の広告を支持しており、電車の中での化粧は排泄と同じだという意見さえあった。

公衆の前で化粧をする女性は身元が疑わしいという、伝統的な見方に言及する人もいる。

「パプリカ」さんは、「欧米では人前で化粧することは娼婦の証と見られるそうですが、Her Majesty エリザベス女王は公衆の面前でしばしば口紅を塗り直すことで有名です(何のブランド使ってるのかで注目されてるだけで別に批判もされてない)」とコメントした。

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Image caption エリザベス英女王は、公衆の前で口紅を塗り直す姿が何度か目撃されている

東急電鉄は、今回の動画は電車の利用客にルールやエチケットを守ってもらうよう促すキャンペーン動画のひとつだと説明している。

一連の動画には、歩きながらのスマートフォン使用をやめるよう呼びかけるものや、混雑した電車への大きなカバンの持ち込みに注意を呼びかけるものが含まれる。

東急電鉄によると、動画のテーマは日本民営鉄道協会が実施した、乗客から多く出る苦情に関するアンケートを基に選ばれたという。

最も多かった苦情は騒音だった。

(取材・加藤祐子記者)

(英語記事 Japan etiquette video discourages applying make-up on trains

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