テロ攻撃について子供にどう話すべきか

キャサリン・セルグレン BBCニュース 家族・教育担当記者

5月のマンチェスター攻撃では、子供や若者が直接の被害者になった Image copyright Getty Images
Image caption 5月のマンチェスター攻撃では、子供や若者が直接の被害者になった

テロ攻撃のニュースは常に恐ろしいものだ。しかし親にとってはそれに加えて、自分の子供に何をどう言うべきかの問題がある。

子供にニュースを見せるべきではないのか。ただテレビを消すのが一番良いのか。子供が目にする写真や動画はトラウマになるのか。あるいは、何があったのか、そのまま自分の子供に語るべきか。

ニュースについて話す

テロ事件については、話題を避けるよりも子供たちと会話をした方がいいと、専門家たちは言う。

ロンドン北部のモスク近くで礼拝を終えた人たちが攻撃された事件は、多くの子供や若者が直接影響を受けたマンチェスターの攻撃、またロンドン橋ウェストミンスター橋での攻撃に引き続き起こった。

子供とトラウマを専門とする臨床心理士のエマ・シトロンさんは、こうした出来事について家族の間で話すのを避けない方がいいと助言する。

「子供たちに基本的な事実を伝えて、知りたいことを教えて、何が知りたいか聞いて、知りたい事柄について知ることができるようにしてあげてください」

さらにシトロンさんは、「支えて、安心させて、子供たちのそばにいて、抱きしめて、子供が泣いたら一緒に泣いて、子供の気持ちの反応に合わせて反応してあげてください」

「子供たちの要求に応えて。子供が何を知りたがっているのか、把握する必要があります」

テレビを消すべきか

テレビやラジオを消すのは自然な防衛本能だが、英国王立精神科医学会のバーナドカ・ドビツカ医師は、トラウマになるようなニュースの内容が子供に伝わらないようにするのは、今の社会では現実的ではないと指摘する。

「こうした出来事の情報がいっさい子供に届かないように、親が情報を遮断するのは無理です。子供も若者も、24時間365日、常にニュースを浴びているというのが現実です」

ドビツカ医師は、親にとって一番大事なのは、子供のそばにいて、子供が自分の気持ちを上手に扱えるように手伝うことだという。

「ニュースを隠そうとしても仕方ありません。子供はよそで知ることになるし、親はその時そばにいて、順々に説明してあげることができません」

「嫌な詳細は避ける」

ニュースについて話すのは大事だが、親は不要な詳細は伝えない方がいいとシトロンさんは補足する。

「嫌な詳細は避けて。必要ないので。そういった話は不要です」

「現場の様子を細かく説明しないでください。どれだけ血が流れたかとか、どれほど残酷だったかなどは不要です。現場の写真や映像は見せたりしない方が良いでしょう。子供にトラウマを与える可能性があるので、避けた方がいいです」

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シトロンさんはさらに、年長の子供たちには、ネットで何をどれだけ読むべきか親がはっきりと基準を示す必要があるとアドバイスする。

「細かな裏話をネットで探しまわったりしないよう、お子さんに話してください。そんな情報は、ともかく必要ないので。若者たちを守っていく必要があります」

役に立つ言い方

シトロンさんは、親は子供の様子に応じて会話を進めていくべきだと言う。さらに会話の中では、出来る限り落ち着いて安心させる表現を使うようにすることを勧めている。

「『これはとても珍しい出来事』とか、『ものすごくひどいことだけど、こんなことはめったに起こらないのは良かった』、『これまで以上に、しっかり警備されるようになる』などの、一般的な言い方はすごく安心を与えます」

「子供たちに出かけるのを怖がってほしくないし、幸せで健康でバランスのとれた普通の生活ができないような大人にはなってもらいたくないので」

「ママ、こういうことはまたあるの」と質問された場合には、本当のことを伝えつつも、自分たちの普段の日常の活動については、たっぷり安心させてあげるのが良いとシトロンさんは勧める。

「私なら『もちろんあるかもしれない』と言います。嘘はつかないように。『でも、とても可能性は低くて、ものすごくまれな出来事だし、警察は絶対に今までより厳しく警備するから』と付け足します」

「『これまで通りサッカーやネットボールの練習に行っても全然大丈夫。スカウトのキャンプに行っても全く大丈夫』など、子供たちの活動を肯定してあげてください」

「『いつも通りの生活を普通に続けなきゃならないし、悪い人たちのせいで怖気づいたりしちゃいけない』と伝えてください」

先生は攻撃について話すか

「学校が攻撃について話す機会を生徒に与えていないなら、かなり意外です」。英中等学校校長会のジェフ・バートン事務局長はこう話す。

「もし生徒が話したいなら、先生は生徒に質問してもらい、適切で信頼できる情報源をどう見るのが良いかを話し合うはずです」

学校も地域の結束を強調するため、努力することになるとバートン事務局長は説明する。

感を重視すべく懸命に取り組むようになると言う。

「学校は、地域のつながりや地域で共有する価値観を強調することになります。あらゆる機会を捉えて、自分たちの地域社会の長所をほめて大勢で分かち合うようにしていくでしょう」

ただし、校長として15年の経験をもつバートン氏は、学校が直接的な影響を受けていない限り、今は「普段通り」の平静な態度を貫くはずだと言う。

「決まった作業の繰り返しというのは大事で、人はそれを頼りに大変な時期を切り抜けられたりします。落ち着いた目的意識が保てるので」

自分の子供が心に傷を受けたと気づくには

トラウマのしるしは個人差が非常に大きいが、気を付けるべき症状には以下が含まれる。

  • 子供が怖がり、べったりしがみつくようになり、不安がる
  • おねしょ
  • 思い出や自分の考えにとらわれる
  • 集中できない
  • イライラして反抗的になる
  • 頭痛や腹痛などの身体症状

報道内容のせいで子供がトラウマを受けたかもしれないと思った場合は、かかりつけの医者に相談することができる。

問題が続くようなら、医師は地元の児童青年精神保健サービス(Camhs)で、さらに支援を受けるよう勧めるかもしれない。

けれども親は、心配しすぎないようにすることも大事だ。ドビツカ医師が言うように、「大多数の若者はいまの状態に対応できるし、大丈夫」なのだから。

(英語記事 How to talk to children about terrorist attacks

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