米南部の洪水を報道しすぎか ほかの大災害はどうした

ジョージーナ・ラナード、BBCソーシャルニュース

シエラレオネのアブドル・マンサライさんは家族と逃げるため自宅の屋根に穴を開け Image copyright Olivia Acland
Image caption シエラレオネのアブドル・マンサライさんは家族と逃げるため自宅の屋根に穴を開けた

大災害が大災害でないことがあるだろうか? 「ある」とソーシャルメディアの一部利用者は言う。問題は「どこ」で起きるかなのだと。

暴風雨「ハービー」が米テキサス州に大規模な洪水被害をもたらし、ルイジアナ州にも迫るなか、アジアやアフリカ各地で同じように自然災害の被害に遭った何千人という人たちも、自分たちの経験をツイートし、写真を共有している。

しかし報道機関の見出しや速報はもっぱら、米国での被害の話題に集中しており、金持ち国の被害にばかり報道を集中させるのはいびつだと、ソーシャルメディアでは批判の声が持ち上がっている。

独キール大学の政治学者、マルセル・ディルサス氏は、「誰もがテキサスのことを考えている間にも、バングラデシュとインドとネパールが洪水に襲われ、1200人以上が死亡した」とBBCビデオをツイートした。

ナイジェリアのサミュエル・アニエメルクウェさんはBBCにメールで、「世界のメディアがテキサスの悲劇について、ほとんどノンストップで報道しているのに、1200人が死亡して何百万人もの人が家を失ったインドの洪水については、その1%の未満も使おうとしていないのが、本当に嫌だ」と書いた。

南アジア

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Image caption 大雨で冠水した道路を歩く人たち(29日、ムンバイ)

インド、バングラデシュ、ネパールでは雨季の大雨で、1600万人が被害に遭っている。援助団体は、この地域で近年最悪の人道危機のひとつだと警告している。

8月29日には大勢のインド・ムンバイの人たちが、洪水で腰の高さまで水が溢れ、市内が大混乱していると相次ぎツイートした。幼児2人を含む少なくとも5人が死亡した。

「#MumbaiFloods(ムンバイの洪水)」や「#MumbaiRains(ムンバイの雨)」というハッシュタグを使ったツイートは40万件近く。写真を共有し、アドバイスや避難場所をした。ムンバイ北東部にあるムルンド鉄道駅の浸水の映像も、ツイッターで拡散された。

住民同士が助け合う様子をツイートした人たちもいる。たとえばクリティカ・ライさんは、「バスに乗っていたら、この人が乗ってきてクッキーを配ってくれた。『食べて、心配しないで!』って」と「#MumbaiFloods」などのほかに「#humanity(人間性)」というハッシュタグもつけて、ツイートした。

ムンバイに本社を置くインド財閥「マヒンドラ・グループ」のアナンド・マヒンドラ最高経営責任者(CEO)は30日、「空港行きの車内で5時間立ち往生した友人によると、ここムンバイでは、身動きとれない人たちに、スラムの住人がお茶とクッキーを差し入れしてくれたそうだ」とツイート。このツイートは9月1日までに8700回以上リツイートされた。

ネパール国境沿いのビハール州では、洪水で500人以上が死亡した。

「ムンバイが雨で苦しんでいる今、一瞬立ち止まって思い出そう。ビハールでは500人以上が死亡して、被害は今も増えている」 ジャーナリストのラジディープ・サルデサイさんの29日のこのツイートは、9月1日現在、2000回以上リツイートされ、3300回以上「いいね」が押された。

アフリカ

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Image caption ニジェールの首都ニアメでは6月以来、大雨が続いている。写真は、6月に家財道具をオートバイに積んで冠水した首都を走る男性

ニジェールでは6月以来の大雨と洪水で、40人以上が死亡した。

シエラレオネでは8月14日に首都フリータウンで大規模な地滑りが発生し、数百人が生き埋めになった。少なくとも499人が死亡し、捜索活動や援助活動は続いている。

3000人以上が家を失った。家が土砂にのみこまれて財産をすべて失ったアブドル・マンサライさんはBBCに対して、妻と子供が家から逃げられるよう、天井に穴を開けたのだと話した。

ムスリム系米国人の弁護士、カシム・ラシードさんは、インドやネパールの洪水被害についてツイートしたほか、30日には「僕たちが大変な思いをしながらハービーを乗り越える一方で、シエラレオネについても祈って。洪水と土砂崩れで1000人以上が死んだんだ」とツイート。9月1日現在で4000回以上リツイートされ、5000回近く「いいね」が押された。

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南アフリカ出身のミミ・ムバカリさんは、災害被害を比較するのは本当に嫌だと前置きしつつ、「アフリカのことだと世界は簡単に、見えないふりをする」とツイートした。

他の人たちは、イエメンやイラク、シリアで今も続く紛争が、脇に追いやられていると指摘する。

「ヒューストンでひどい被害に遭った親類がいるけれども、イエメンなど世界各国のことも考えている」と、英国人活動家クレア・ヘプワースさんはツイートした

一方で、災害に序列をつけてはならないという意見もある。

「シリアだろうとシエラレオネだろうとヒューストンだろうと、人はそれぞれ違う悲しみ方をするもの。自分に響くものに人は反応する。共感は決してコントロールできるものじゃない」と、「Tichaade」さんはツイートした

(英語記事 Houston floods, but what about all the other disasters?

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