英国産の卵に安全宣言 サルモネラ騒ぎから約30年

ドミニク・ヒューズ健康担当記者、BBCニュース

今や誰もが、十分火が通っていない卵を食べられる
Image caption 今や誰もが、十分火が通っていない卵を食べられる

英国では、「ライオン・マーク」が付いた卵は、妊婦や乳幼児にも安全だと宣言された。卵のサルモネラ菌汚染騒ぎから30年近く経ってのことだ。

乳幼児や高齢者、妊婦などは、生卵や半熟など生に近い卵は食べてはいけないとされていた。

英食品基準庁は、「ライオン・マーク」が付いた卵には、実質的にサルモネラ菌汚染はないと話している。英国で生産される卵はほぼ全てがライオン・マーク付きだ。

今回の基準変更は、ワクチン・プログラムの導入や動物福祉の改善を受けたもの。

お使いの端末ではメディアプレイバックはご利用になれません
英国でも生卵が全面解禁 赤ちゃんも妊婦もOK

1988年、卵がサルモネラ菌に汚染していた騒ぎが原因で、卵の売り上げが激減し、乳幼児や高齢者、妊婦は半熟や生の卵は食べないようにとの警告が続けて出された。

さらに、当時のエドウィナ・カリー保健相は「残念だが英国の卵はほとんどがサルモネラ菌に感染されている」と発言した。

サルモネラ菌は、食中毒を引き起こす可能性がある。

カリー元保健相の発言はこの危険性を過度に誇張したもので、同相は結局、辞任へ追い込まれた。

しかし卵のサルモネラ菌汚染の問題は確かにあり、卵業者は1990年代までに、ワクチン・プログラムを開始した。

ライオン・マーク

卵に赤のインクで印刷された「英国ライオン・マーク」は、卵を生産者までさかのぼることを可能にするためと、賞味期限を示すために導入された。

最初のサルモネラ菌騒ぎから30年近くたった今、食品基準庁のヘザー・ハンコック氏は、火が十分通っていない卵をみんなが食べられるようになった、と話している。

「英国ライオン・マークが入った卵なら、生で食べても大丈夫だと今は言っている。サルモネラ菌のリスクは現在とても低いので、心配する必要はない。健康的な成人であっても、妊婦、高齢者、幼児であっても。火の通っていない卵を避ける必要があるのは、医師の指導の下、厳格な食事制限をしている人だけだ」

Image caption 英国の卵の生産は一大産業だ

卵の消費増加

英国では近年、卵の消費量が増えている。

昨年は英国内で103億7200万個の卵が生産された。1日平均3450万個以上が消費されている。

また卵はビタミンDやたんぱく質、貴重なオメガ3脂肪酸が豊富に含まれており、健康にも非常に良い

2児の母親のキャサリン・ミリントンさんは卵の大ファンだ。卵を使って手軽に安く、栄養のある食事を4歳になる娘と生後7カ月の娘に与えることができる。

「卵は素晴らしい。ゆでて、細かく潰せるし、赤ちゃんも食べられるので、赤ちゃんの方から離乳を始められる」

「それに急いでいるときは、ものすごく簡単」

食の安全

卵を生産する「レイクス・フリーレンジ・エッグカンパニー」は湖水地方のペンリス近郊にある。

養鶏農家のデイビッド・ブラスさんは、英国ライオンマーク基準が導入されたことで、様変わりしたと言う。

「80年代に食品不安が広がり始めた時から、卵に問題があるとは分かっていた」

「ライオン基準は、農家が守るべき基準を設けるための完全に独立し監査された規則で、かつてのような病気の問題が二度と起こらないようにするものだった」

「そのあいだ何年にもわたって、素晴らしい食品安全基準だと何度も示されてきた」

今年の夏、オランダの養鶏場で人体に有害なおそれのある殺虫剤が、一部の卵に混入なり、英国を含む欧州の10カ国以上のスーパーの店頭から何百万個もの卵が回収された。

それでも、英国産の卵は影響を受けなかった。

(英語記事 UK eggs declared safe 30 years after salmonella scare

この話題についてさらに読む

関連リンク

BBCは外部サイトの内容に責任を負いません