体内時計とうつの関係性が明らかに 英最新研究

ジェイムズ・ギャラガー健康科学編集委員 BBCニュース

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体内時計の不調が気分障害のリスクを高める可能性があることが、英グラスゴー大学の研究チームによる調査で明らかになった。

体内時計はほぼ全ての細胞に存在しており、身体組織の日々のリズムをつかさどっている。

医学雑誌ランセットに掲載された研究によると、9万1000人を対象に調査した結果、体内時計の不調がうつや双極性障害などと関係していることが明らかになった。

研究者たちは、人々が自然のリズムに身を任せなくなっていることに警告を発している。

調査では対象者に1週間行動モニターを装着し、どのように体内時計が狂わされるのかを調べた。

その結果、夜間に活動的な人や日中にあまり動かない人ほど、体内時計が狂っていた。こうした人々は、日中に活動し夜間に動かない典型的な人たちに比べ、気分障害と診断される確立が6~10%高かった。

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グラスゴー大学の調査チームの一人、ダニエル・スミス博士はBBCの取材に対し、「これは大きな違いではありません。しかし衝撃的だったのは、多くの興味深い結果が得られたことです」と話した。

研究では、体内時計が狂っている人ほど、大うつ病や双極障害、大きな孤独感、幸福感の欠如、反応時間の悪化、気分の不安定化といった症状が高い確率で表れることが分かった。

しかし現段階では、体内時計の不調がこうした精神疾患につながるのか、それとも一症状に過ぎないのかは判断できなかったため、さらなる研究が必要だという。

生物リズム

体内時計は、体中に大きな影響を与えている。

気分、ホルモン、体温、代謝などは全て日々のリズムで変化している。心筋梗塞の危険性でさえ、新しい一日のために体がエンジンをかける朝が一番高くなる。

スミス博士は「この研究によって、体内時計が気分障害の重要な要素であることが分かった。研究上でも社会を作る上でも優先順位が上げられるべきだ」と話す。

「我々の自然なリズムに即して学習や労働の習慣を再構築していく必要があるといっても、そう物議はかもさないだろう」

今回の研究では、英国のバイオバンク研究プロジェクトのデータが使われた。しかし、このプロジェクトの参加者は多くが高齢者だった。

オックスフォード大学のエイダン・ドハティー博士は「精神疾患の75%は24歳以前に始まるため、この調査の母集団は、こうした疾患の原因を図るには理想的でない」と話す。

しかし、「ティーンエイジャーや若年層を扱う同様の研究において、研究者が精神疾患の原因や家庭、防止方法、治療に対する理解を変化させていく」道を開いたとも評価した。

(英語記事Body clock linked to mood disorders

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