赤ちゃんチンパンジー、親を殺してペットに 西アフリカ密売組織
お使いの端末ではメディアプレイバックはご利用になれません

赤ちゃんチンパンジーの密売組織、親を殺してペットに

西アフリカで、チンパンジーの赤ちゃんを捕まえペットとして密売する組織が当局によって摘発された。BBCが約1年かけて十数か国で取材し、密売の実態を明らかにした。デイビッド・シュクマン記者がリポートする。

密売組織はコートジボワールの最大都市アビジャンに拠点を置いており、捕まえたチンパンジーを隠し置く、青いタイルが貼られた小部屋にちなんで「ブルー・ルーム」という名前で呼ばれていた。

チンパンジーの赤ちゃん1頭を捕まえるには、群れが抵抗しないよう、親など周囲の成長したチンパンジーを最大10頭殺すことも珍しくないという。

赤ちゃんチンパンジーに対しては、富裕層のペットや動物芸、動物園での展示としての需要があり、1頭に1万2500ドル(約140万円)の値段が付く。特に強い需要があるのが、湾岸諸国、東南アジアや中国だ。

野生動物の保護を訴えるスイスの活動家、カール・アンマン氏は、チンパンジーが赤ちゃんでいるうちはかわいがられても、成長すればペットとして扱いにくくなり、檻に入れられたまま放置されたり、時には殺されたりすることがあると話す。

BBCの取材過程で見つかった赤ちゃんチンパンジーは、ある証言によると、密売組織が密猟者から300ユーロ(約3万6000円)で手に入れていた。

BBC取材班は何カ月もかけて、取引業者とコンタクトをとり続けた結果、アビジャンの組織の元締めに辿り着いた。購入を検討しているかのように装い接触した取材班は、赤ちゃんチンパンジーがいることを確認し、待機していた国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)と地元警察に通報。組織の摘発につながった。

国連環境計画(UNEP)の「大型類人猿保全計画」(GRASP)によると、2005年から11年にかけ23か国で約1800頭の類人猿が当局によって密売組織から救出された。

チンパンジーを含む絶滅が危惧される野生動物の国際取引をめぐっては、ワシントン条約(CITES)で厳しく規制されているものの、密売組織がどのように規制を回避する許可証を入手するのかも、BBCの取材で明らかになった。取材班は実際に、チンパンジー輸出の許可証2通を1頭4000ドルで手に入れることができた。