ロシア、シリア領内のIS空爆参加を検討

Two U.S. Air Force F-15E Strike Eagle aircraft fly over northern Iraq Sept. 23, 2014 Image copyright US Dept of Defence
Image caption 2014年9月にイラク北部上空を飛ぶ米空軍機(米国防総省提供)

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は28日、過激派組織「イスラム国」に対してアメリカが主導する空爆に参加するかどうか検討していると述べた。ニューヨークで開かれている国連総会に出席したプーチン氏は、オバマ米大統領と個別会談を行い、その後に報道陣に話した。

プーチン氏は国連総会の一般討論演説で、シリア領内のIS掃討のためアサド政権と協力しないのは「大間違い」だと発言。それに先立ち同じ一般討論演説で、シリア内戦終結にはアサド大統領の退陣が不可欠だと強調したオバマ氏やオランド仏大統領と明白な食い違いを見せていたばかりだった。

オバマ氏と90分にわたり会談したプーチン氏は、「とても建設的で実務的で率直」な会談だったと会見で述べた。その上で、ロシアがIS空爆に参加するには国連の承認が必要で、ロシアがシリア領内に地上部隊を投入することはありえないと説明した。

ロシアのウクライナ侵攻で両首脳の直接会談は1年近く途絶えていた。

米政権高官よると、両大統領とも会談で「得点」を狙っていたわけではなく、ウクライナ周辺などで偶発的な武力紛争を回避するためにも、情報交換と意思疎通のラインを確保しておくべきだと合意したという。

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Vladimir Putin: "Our talks were very constructive, business-like and surprisingly frank"

<英語ビデオ>オバマ氏と会談後に会見したプーチン氏。「とても建設的で実務的で率直」な会談だったと。

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After the speeches Obama and Putin joined world leaders for lunch, as Jon Sopel reports

<英語ビデオ>国連総会の一般討論演説を終えた各国首脳は昼食会に出席した。

国連総会の一般討論演説でオバマ氏は、シリア内戦終結には各国の妥協が不可欠だとしたうえで、「アメリカは紛争解決のため、ロシアやイランを含めてあらゆる国と協力する用意がある。しかしこれほどの流血と殺りくが続いた今となっては、戦争前の状態に戻るのはありえないと認識しなくてはならない」と述べた。

これに対してプーチン氏は演説で、「シリア政府とシリア軍はテロリズムに真正面から立ち向かい勇敢に戦っている。その政府や軍との協力を拒否するのは大間違いだ」と、アサド政権支援を改めて強調。第2次世界大戦でナチス・ドイツと戦った連合国のつながりを引合いに出し、ISと戦うための「幅広い対テロ連合」の創設を求めた。

アサド政権に対してはイギリス政府など一部の西側首脳は態度をやわらげ、権力移譲の間の暫定政権のトップとしてアサド氏留任を認める発言をしている。

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Barack Obama says Syrian President Bashar al-Assad must go

<英語ビデオ> 国連総会演説でオバマ米大統領は、シリアのアサド大統領退陣の必要性を強調した。

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Image caption シリアをめぐり国連総会で意見対立をあらわにした両大統領が、個別会談前に握手

シリア内戦

Image copyright Reuters

反政府運動から始まったシリアの内戦で4年半の間に25万人が死亡し100万人以上が負傷。1100万人が住む場所を追われ、400万人が国外に避難している。

イランとロシア、およびレバノンのヒズボラは、シリア人口の約1割にあたる「アラワイト派」が主流のアサド政権を支持。一方で、トルコ、サウジアラビア、カタールなどは米英仏と共に、スンニ派が中心となった反政府勢力を支持している。これに加えて、流入したISが北部や中部でかなりの地域を制圧したほか、北東部を拠点とするクルド人との対立もあり、激しい対立からの出口は見えていない。

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出口見えぬ応酬 シリア内線の現場から
Image caption 異なる勢力によって分断されるシリア(2015日9月28日現在)

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