牛肉を食べていた? インドで男性リンチ殺害

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インドのビサダ村で、牛肉を食べたという噂から集団暴行を受け殺害されたモハマド・アクラクさんの写真を親類が手に
インド北部ウッタルプラデシュ州で28日夜、自宅でひそかに牛肉を食べているという噂が原因で、50代男性が集団リンチされ、殺害された。22歳息子も重傷を負い入院した。
警察によると、首都デリーからわずか50キロの村で農業を営むモハマド・アクラクさんは、複数の男に石で殴られ死亡。警察は6人を逮捕し、噂が広まった経路を調べている。
地元当局は地元紙に、アクラクさん家族が牛を殺し自宅で牛肉を保存しているという噂が流れ、襲撃につながったと説明。
18歳の娘は地元紙に、「100人以上の村の人たち」が28日夜に家の前に集まり、「牛肉を保存していると私たちを責め立て、ドアを押し倒して父と兄を殴り始めた。父を外にひきずりだし、レンガで殴り続けた」と話している。
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アクラクさんの死を嘆く親類の女性たち
インドでは、牛を神聖視するヒンズー教徒が人口の8割を占める。ウッタルプラデシュ州を含む11の州と2つの直轄領が、牛の殺害や牛肉の販売・消費を厳しく禁止する法律を強化している。
アクラクさんの家族は、家の冷蔵庫で保管していたのは牛肉ではなく羊肉だと説明。地元紙によると、警察はこれを押収し調べているという。
アクラクさんの娘はさらに、地元寺院が「あの家は牛肉を食べた」と宣言したことから、襲撃につながったと地元紙に話している。
アクラクさんの家族は、「あの家は牛肉を食べた」と寺院が発表したことが集団暴行につながったとしている
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地元住民たちはアクラクさん殺害に関する逮捕に抗議し、警察と衝突