女子学生、「死んだふり」で難逃れる――オレゴン銃乱射事件で

画像提供, Reuters
アンプクア・コミュニティー・カレッジで起きた銃乱射事件の犠牲者の追悼のため人々が集まった
米オレゴン州のコミュニティー・カレッジで1日、男が銃を乱射し9人が死亡した事件で、現場にいた10代の女性が「死んだふり」をして難を逃れた。女性の父親が明らかにした。
父親のランディ・スクロギンズ牧師によると、娘のレイシーさんの体の上に犠牲者がひとり倒れ、レイシーさんはその血も浴びていた。そのためクリス・ハーパー・マーサー容疑者(26)はレイシーさんを撃たず、トレベン・アンズパッチさんを撃ったという。
マーサー容疑者は警察と銃撃戦となった後、銃で自殺した。被害者の年齢は18歳から67歳まで。67歳の教師を除くすべての犠牲者は学生だという。
スクロギンズ牧師はトレベンさんの両親に「私の娘の命の恩人がこの世にいたのはあなたたちのおかげ」と強い感謝の念を表した。
オレゴン乱射で娘は助かったが……涙の父親
レイシーさんがスクロギンズさんに語ったところによると、マーサー容疑者は現場にいた1人を当局への伝言役にするため撃たないと告げた。同様に、現場にいたシャイアン・フィッツジェラルドさん(16)も級友が容疑者に「お前は運がいい」と言われるのを聞いたと、母親に話している。
Sharon Kirkham: "He shot my best friend three times"
<英語ビデオ>現場にいたシャロン・カークハムさんは友人が容疑者に3発撃たれた様子などを語った
マーサー容疑者の犯行動機は明らかになっていない。また当局は、同容疑者が残したメモの内容を公にしていない。生存者2人は、宗教が動機に関わっていた可能性があると話す。容疑者はまず宗教を尋ね、自分はキリスト教徒だと認めた人を撃ったという。
警察当局によると、マーサー容疑者の自宅と現場で武器14点を押収している。父親のイアン・マーサーさんは米CNNの取材に対し、自分の息子がこれだけの武器を所持していたとは全く知らなかったと述べ、アメリカにもっと厳格な銃規制があれば事件は起こらなかったと語った。
オバマ米大統領は2日の記者会見で、相次ぐ銃乱射事件に対して強い憤りを表明し、銃規制の改革支持を政治家に働きかけるよう有権者に求めた。