中国の10代男性の3割が喫煙で早死にすると警告 英中共同研究

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北京マラソンの開始前にたばこを吸うランナー(9月20日)
英中共同の研究グループは、中国で現在20歳未満の男性のうち3分の1について、喫煙を止めないかぎり早死にする可能性があるとの調査結果を発表した。
研究グループは英医学誌「ランセット」に掲載された論文で、中国では男性の3分の2が20歳未満で喫煙を始めていると指摘し、その約半数が喫煙が原因で死亡すると結論付けている。
英オックスフォード大学と中国疾病対策予防センター、中国中医学科学院の共同研究チームは、中国全土で数十万人を対象に2回、15年の期間をあけて調査。研究チームは、現在の傾向が続けば、喫煙による死亡者が2030年までに年200万人に達するとの見通しを示した。そのほとんどは男性だという。
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中国・浙江省の学校で行われている禁煙授業
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仕事の合間に一服する鉄道会社のエンジニア(中国・四川省)
論文の共同執筆者リチャード・ピトー氏は禁煙を広められれば、このような結果は回避できると話す。同氏は「死亡者の巨大な波を起こさないためには、禁煙が重要。若い男性なら吸い始めないことだ」と語った。
先進国で喫煙率は低下しており、米国では喫煙率は約2割。しかし中国では、たばこが簡単に手に入るようになり、消費者の所得増に伴って喫煙率も上昇している。
中国政府は喫煙率の上昇を警戒しており、北京市では今年6月、屋内での喫煙を全面的に禁止する条例を施行した。それでもたばこの人気は衰えていない。たばこ税による歳入増もある。
世界保健機関によると、世界全体では喫煙者の約半数が喫煙のために死亡している。
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北京で開かれた中国国際電子タバコ展示会でデモンストレーションしてみせるモデル