南北離散家族、北朝鮮で再会へ

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家族に再会するため北朝鮮に向かう人々。その多くは80、90歳代だ(20日)
1950年代の朝鮮戦争で離ればなれとなった家族と再会するため、韓国から数百人の人が20日、北朝鮮に向かった。再会は北朝鮮側の国境近くにある金剛山で行われ、1週間の間に複数回実施される。
離散家族の再会事業は1988年から断続的に実施されてきたが、実現するかどうかは、その時々の両国関係の状況に左右されてきた。最後に実施されたのは2014年2月。
今回の再会は8月に韓国と北朝鮮の間で合意された内容に基づく。国境にある非武装地帯(DMZ)の韓国側で北朝鮮が埋めたとされる地雷で兵士2人が重傷を負い、緊張が高まった両国関係を正常化する過程で再会事業が決まった。
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韓国側の通関に集まった離散家族(20日)
再会事業は赤十字社が主催しており、数万人が申請するほど人気があるが、南北双方で選ばれる家族は少数で、高齢者の場合が多い。
BBEニュース、スティーブン・エバンズ記者(ソウル)
これ以上に悲喜こもごもな出来事を思いつくのは難しい。60年あまり会えずにいた家族たちはさまざまな感情の嵐に襲われることだろう。
人生の大部分を離ればなれで過ごした年老いた人々が、家族との短い再会、しかもこれで最後になると思われる再会を果たす場面では笑いと涙が入り交じるはずだ。
韓国で6万5000人以上いる再会事業の対象者のうちわずか100人が選ばれた。そのうち10人は死亡したか、移動できないほど体が弱ってしまった。
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再会事業が実施される金剛山(写真は14年2月撮影)