バイデン氏「ビンラディン殺害作戦を支持した」 前言修正

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2011年のオサマ・ビンラディン容疑者の殺害作戦について話し合うオバマ大統領(写真左)、クリントン国務長官(写真中央、当時)、バイデン副大統領(写真右)
ジョー・バイデン米副大統領は20日、2011年に米軍が国際テロ組織「アルカイダ」の指導者だったオサマ・ビンラディン容疑者を殺害した作戦を支持していたと述べ、自分は作戦に慎重だったとするこれまでの発言を修正した。
バイデン副大統領は2016年の大統領選への出馬を検討しており、ビンラディン容疑者の殺害に躊躇したとみられるのは不利に働くと考えられている。
バイデン氏は20日にワシントン市内で開かれた会合で、「一緒に部屋を出て階段を上りながら、やるべきだと思うという私の考えを大統領に伝えた。ただし、自分自身の直観に従うべきだとも言った」と述べた。
同氏はさらに、「大統領執務室で大統領と2人きりになるより前に、私の考えを言うことはない」と語った。
ABCテレビによると、バイデン氏は2012年には下院議員らの前で当時を振り返り、「大統領、行かないほうがいいです」と助言したと語っていた。
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故モンデール元副大統領を表彰する会合で講演するバイデン副大統領(20日)
大統領選に立候補しているヒラリー・クリントン前国務長官は、作戦時の国務長官だった。自分は作戦を支持したと公言している。
ビンラディン容疑者は2001年9月11日の米同時多発テロの首謀者とされたほか、アフリカ東部の米国大使館の爆破事件やイエメンに停留していた米海軍ミサイル駆逐艦「コール」が襲撃された事件の背後にいたと考えられている。
出馬表明が近いとの見方
ここ数カ月、民主党の大統領候補指名で、バイデン氏が最有力のクリントン氏に挑戦するとの期待が支持者の間で高まっている。しかし現在72歳のバイデン氏は、長男のボー氏を今年5月にがんで失った後、大統領選に出る「気力」があるか分からないと述べていた。
また、バイデン氏が十分な資金を集めて強力な選挙戦を戦うには遅すぎるとみる向きもある。先週開かれた民主党の第1回テレビ討論会を受けて、クリントン氏の支持率が回復しているという側面もある。
バイデン氏はここ数日中に出馬するかどうか決めるというのが、大方の見方だ。選挙の趨勢を決めるとされる重要州の予備選選挙で候補となるための期限が近づきつつあるためだ。
デラウェア州選出の上院議員を務めたバイデン氏は1988年と2008年に大統領選に出馬しており、2008年にはオバマ氏と正副大統領候補としてタッグを組んだ。