英首相、中国と経済関係強化の意義強調 習主席は中国は人権「重視」と

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英国を公式訪問中の中国の習近平国家主席は21日、キャメロン英首相と共に記者会見し、中国は人権を「重視」していると述べた。またキャメロン首相は、主席の訪英中に両国が総額400億ポンド(約7兆4000億円)の投資・経済案件について合意したと意義を強調した。

BBCの政治編集委員ローラ・クンスバーグの質問に答えて習主席は、中国は人権を大いに重視していると答え、「われわれは人権の普遍的価値を中国の現実と組み合わせて、中国の状況に適した人権発展の道を見つけた」、「人権保護に関して世界を見渡せば、常に何かしら改善の余地があるのに気づく」と述べた。

キャメロン首相は、英南部サマーセット・ヒンクリーポイントの原発新設について中国国営の中国広核集団(CGN)が30%出資することになった合意成立を高く評価し、両国の間にある鉄鋼業界や人権などの問題について「正直に会話しながら」「強力な関係」を維持できると強調した。

習主席の公式訪問日程では「中英ビジネスサミット」が大事な部分を占め、フランス電力(EDF)子会社EDFエナジーのヒンクリーポイント原発建設についてCGNが60億ポンド(約1兆1千億円)を出資し、事業の株式33.5%を取得することで合意したのは、今回の放映の大きな目玉となった。

President Xi and the Duchess of Cambridge meeting Jackie Chan

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強力なパートナーシップ」

一方で英国では現在、タタ・スチールはスカンソープとラナークシャーの工場で従業員1200人の削減を発表するなど鉄鋼業界が失業に見舞われており、安い中国製品の輸入が要因のひとつとされている。

これについてキャメロン首相は共同会見で、世界的な鉄鋼の供給過多については首脳会談でも議題になったと説明。両国はビジネス上の関係を維持しながら、鉄鋼業界の問題や人権問題についても協議できると強調した。

「人権と鉄鋼の話をするのと、中国と強力な関係を維持するのと、両立しないというような発想はまったく受け入れられない。私は両方を求めているし、私たちは両方を実現している。むしろ強力な関係性、強力なパートナーシップがあればこそ、ほかの色々な課題についても話ができる」とキャメロン主張は述べた。

イギリスの鉄鋼業界については、エネルギー費や調達、税金などの面で支援する方針とも表明した。

ダウニング街(英首相官邸)は、首脳会談でキャメロン氏が習氏に対して人権問題に言及したことは確認したが、具体的内容については明らかにしなかった。

首相報道官は「首相は人権問題を取り上げ、さまざまな問題に取り組むために国々が協力しあうことの重要性を取り上げた。さらに国々が発展し前進するにあたって、これがいかに重要か、その重要性についても言及した」と説明している。

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