【米大統領選2016】共和党討論会 候補者らが批判合戦

写真左からルビオ氏、トランプ氏、カーソン氏(28日夕/日本時間29日午前) Image copyright Getty Images
Image caption 写真左からルビオ氏、トランプ氏、カーソン氏(28日夕/日本時間29日午前)

2016年の米大統領選に向けた共和党のテレビ討論会がコロラド州ボルダ―で開かれ、10人の候補者らは互いの批判に火花を散らした。

世論調査で先頭を走る実業家のドナルド・トランプ氏と元神経外科医のベン・カーソン氏は、討論会の序盤から批判の対象になった。オハイオ州のジョン・ケーシック知事は両氏の政治経験の乏しさを指摘し、「仕事のやり方を知らない人物を選ぶわけにはいかない」と述べた。

ケーシック氏はさらに、聖書に記述がある10分の1税に基づくカーソン氏の税制改革案を「幻想」と断じ、トランプ氏が提唱する1100万人の不法移民の送還やメキシコ国境での壁建設の案を批判した。

最近の世論調査ではカーソン氏への支持率が僅差でトランプ氏を上回ったが、カーソン氏が注目を集める場面は少なかった。

政治的に近しい付き合いも論争の犠牲になった。同じフロリダを地盤とするジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事とブッシュ氏の後押しを受けてきたマーコ・ルビオ上院議員が非難合戦を展開し、ブッシュ元知事は、連邦議会での投票を何度も欠席しているルビオ氏は上院議員を辞任すべきだと述べた。

3回目の党討論会はCNBCが主催した。テキサス州のテッド・クルーズ上院議員が、司会者たちの質問が挑発的だと非難すると、最も大きな拍手が会場から起きた。


<解説>BBCニュース ニック・ブライアント記者(コロラド州ボルダー)

討論会では2つの戦いが同時に起きていた。一つは党内エスタブリッシュメント層へのアピール。もう一つは先鋭的な右派の支持を集めるための戦いだ。

前者においては、ブッシュ元知事がまたもや生気の欠けた様子だったので、支援者たちはかなり不安になるはずだ。また、ライバルで友人でもあるルビオ上院議員を投票棄権について非難したのは、前もって予定していたこととはいえ、逆効果だった。自分への非難は実にわざとらしいと切り返したルビオ氏は巧妙で、今夜一番出来が良かったのはルビオ氏だ。

エスタブリッシュメント層の支持争いという意味では、ブッシュ、ルビオ両氏のやり取りが今夜のヤマだった。ルビオ氏への支持は増えるだろうし、ブッシュ氏は後退するだろう。ニュージャージー州のクリス・クリスティ知事もブッシュ氏より良かった。

もう一つの戦い、トランプ氏を支持率で抜いたカーソン氏とトランプ氏の対決は、結局は何もなかった。トランプ氏は目立たず、相次ぐ討論会に飽き始めているようにさえ見えた。カーソン氏もほとんど注目を集めることがなかった。

クルーズ上院議員が、討論会の司会者たちや、ほかのメディアの左寄り傾向を激しく非難したのは、注目を集めるチャンスだとみたからかもしれない。キリスト教に「回心した(born-again)」父親について語ったのは、福音派には歓迎されるだろう。クルーズ議員はこれまでの選挙戦を通して今日の2時間が一番調子が良かった。

しかし、討論会の一番のニュースはブッシュ氏だ。低調な選挙運動を今日こそ盛り上げる必要があったが、結果は散々だった。


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このほかの討論会ハイライトは以下の通り。

  • トランプ氏は、自身の経済改革案を「まんがレベル」とする批判に反論
  • ルビオ氏は、貧しかった幼少期に触れ、経済的に苦しい国民のために働くと強調
  • クリスティ氏は、社会保障税を政府が「盗んだ」と主張
  • トランプ氏は、銃持ち込み禁止地域が精神障害者の「射撃訓練場」になっていると主張
  • トランプ氏は、ルビオ氏をフェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏の「付き人上院議員」だと呼んだことはないと主張(しかしトランプ氏のウェブサイトには記載されている)
  • カーリー・フィオリーナ候補は民主党から出馬しているヒラリー・クリントン上院議員の政策はどれも「女性のためにならない」、クリントン氏は偽善的だと批判。

英語記事:US Republicans spar in third fiery presidential debate

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