独VW排ガス規制逃れ CO2でも不正見つかる

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独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が排ガス規制を不正に逃れるソフトウェアをディーゼル車に搭載していた問題で、同社は3日、これまでに明らかになった窒素酸化物(NOx)に加えて、二酸化炭素(CO2)についても不正が見つかったと発表した。欧州で80万台に影響する可能性があるという。
同社は新たな問題への対応で20億ユーロ(約2650億円)の追加経費を見込んでいる。
同社広報担当者がBBCに語ったところによると、対象ブランドにはVWのほか、アウディ、シュコダ、セアトなどが含まれる。ディーゼル車だけでなく、ガソリン車も含まれる可能性があるという。
同担当者によると、不正は「より小型のエンジン」を搭載したいくつかの車種のCO2排出や燃費を計測する過程に関わるもの。
VWは、今回の不正が意図的だったかどうかや、具体的な車種について明らかにしていない。
当社のマティアス・ミュラー新最高経営責任者(CEO)は、「当初から、徹底した包括的な事実解明に力を注いできた。何にも誰にも遠慮しない。痛みを伴うプロセスだが、ほかに選択肢はない。我々にとって重要なのは真実だけだ」と語った。
VWは発表文で、同社の取締役会が今回明らかになった内容の影響について当局に報告するとした上で、「対象車の安全性には全く影響ない」と述べた。
一方、同社監査役会はこれとは別の発表文で、新たな不正発見を「深く憂慮」しており、「迅速で詳細な説明を行う」とした。
<解説>BBCニュース、セオ・レゲット記者
VWの問題は増えるばかりだ。米国の規制当局が排ガス規制逃れに関わる新たな問題(VWはこれを否定している)を指摘した翌日に、社内調査で、これまでとは全く別の、排ガス検査と認証プロセスでの不正が見つかった。
まだほかにも不正が見つかるのではないか、世界販売台数1位を目指し事業拡大を急ぐなかでほかにどんな不正が見逃されていたのかとVWの株主たちが考えたとしても無理はない。
顧客がいささか困惑したとしても、それも当然だ。
2日には、米環境保護局(EPA)がVWに対し、より大型の3.0リッターエンジンのディーゼル車にもNOx排出規制を逃れるソフトウェアが搭載されていたと指摘したが、同社は否定している。
スキャンダルにも関わらず、VWの10月の米国販売台数は前年同月を上回っている。