「不倫罪」の女性を石打ちで殺害 アフガニスタン

画像提供, AFP
「ラジオ・フリー・ヨーロッパ」が入手した10月25日撮影のビデオでは、男たちが投げる石が鈍い音をたてて女性にあたるごとに、女性が悲鳴を上げ続ける様子が映っている。
アフガニスタン当局は、結婚前の恋人との「不倫」を疑われた若い女性が石打ちで殺害されたと明らかにした。「処刑」の様子を映したとされるビデオがインターネットに投稿されている。
30秒の映像には、地面に掘られた穴に入れられた女性をターバン姿の男たちが取り囲み、投げつけている様子が映っている。女性の婚約者は鞭で打たれたという。
ビデオの女性は19~21歳の「ロクシャナ」さんと呼ばれ、石で打たれている間、自分はイスラム教の敬虔な信者だと信仰告白を必死に繰り返しているのが聞こえる。
トロ通信によると、この殺害事件はアフガニスタン中部ゴール州のタリバン支配地域で約1週間前に起きた。
ラジオ・フリー・ヨーロッパ(RFE)が確認し伝えた。女性の悲鳴が響き渡る現場で、複数の目撃者が様子を携帯電話で撮影していたという。
RFEは、女性と23歳の婚約者が駆け落ちしようとしたのが事件の原因だと伝えている。
ゴール州政府関係者らはAFP通信に、ロクシャナさんを石打ちにしたのは「タリバンや地元の宗教指導者、武装した軍閥指導者」の集団だと話した。
同州のジョエンダ知事によると、家族に結婚相手を決められていたロクシャナさんが、恋人と性交渉をもっている現場を見つかったのだという。保守的なイスラム教徒の多いアフガン農村部では、婚前交渉は容認されていない。
ジョエンダ知事はアフガニスタンに2人しかいない女性州知事のひとりで、「この地域ではこれが(今年)最初だが、こういう事件は今後も起きるだろう。国のあちこちで女性は色々な問題に直面するが、特にゴール州では保守的な態度がまかり通っている」と述べた。
アフガニスタンでは女性の集団リンチ殺人は珍しくない。今年3月には首都カブールでファルクンダという女性が、「聖典コーランを燃やした」という嘘の責めを負わされて、集団に殺され燃やされるという事件があった。
ファルクンダさん殺害を機に国内各地で抗議行動が相次ぎ、国際的にもアフガン女性の扱いが非難の対象となった。