ドーピング疑惑のロシア陸上選手に対応を=IOC

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2012年ロンドン五輪の女子800mで金メダルを獲得したサビノワ選手(左)と銅メダルのポイストゴワ選手のドーピング疑惑が指摘されている
世界反ドーピング機関(WADA)の独立委員会がロシア陸連の組織的ドーピングを指摘し、2012年ロンドン五輪のメダリストたちを名指ししたことについて、国際オリンピック委員会(IOC)は10日、処罰を検討する必要があると、国際陸上競技連盟(IAAF)に対応を求めた。
IOCは文書で「ドーピングを一切認めないという方針に基づき、調査の結論が出るのを待って、IOCはメダル剥奪と授与のやり直しのため必要な対応と制裁措置をとっていく。コーチや連盟関係者たちの今後のオリンピック大会への参加禁止という措置も視野に入れている」と方針を発表した。
ロシア陸連の組織的ドーピング疑惑 広がる波紋
WADA独立委は、ロシア陸連は「政府が後押しする」ドーピング計画を推進しているため、国際大会の出場資格を停止し、選手5人とコーチ5人は永久追放処分にすべきと勧告している。
名指しされた選手は、2012年ロンドン五輪の女子800mで金メダルを獲得したマリヤ・サビノワ選手と銅メダルのエカテリーナ・ポイストゴワ選手のほか、アナスタシヤ・バジレワ選手、タティアナ・ミャジナ選手、クリスティナ・ウガロワ選手。いずれもドーピング疑惑は立証されていないし、選手たちは疑惑にコメントしていない。
ロシア陸連の資格停止を勧告 反ドーピング機関
WADAは、ロシア陸連の組織的ドーピングと、疑惑に対して対策を講じなかったIAAFの不作為によって、ロンドン五輪は「破壊された」と非難している。
一方でロシア政府は一連の告発を否定し、「根拠がない」と一蹴している。
IAAF会長のコー卿はBBCに、ロシア陸連には今週末までに回答するよう求めたと話した。その回答を検討した上でIAAFとして「制裁を含む措置を検討する」と述べた。出場停止処分の可能性もあるという。

ロシア陸連を資格停止に 反ドーピング機関が勧告
世界反ドーピング機関(WADA)の独立委員会は9日、ロシア陸上競技連盟を資格停止処分にし、来年のリオデジャネイロ五輪で出場停止にするよう勧告した。