【ミャンマー総選挙】大統領がアウン・サン・スー・チー氏に祝意

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アウン・サン・スー・チー党首、政権獲得へ自信示す

ミャンマーのテインセイン大統領は11日、8日の総選挙でアウン・サン・スー・チー氏が率いる野党・国民民主連盟(NLD)圧勝の情勢を受け、NLDに祝意を伝えた。報道官がBBCに明らかにした。

イェ・トゥ大統領報道官(情報相)はBBCに対して、「テインセイン大統領はミャンマー国民に、自由で公平でとても平和な選挙が実現したことを祝福したいと述べている。次に、NLDに選挙の成功をお祝いしたい」と大統領の言葉を伝えた。

テインセイン大統領はフェイスブックにも「わが政府は国民の判断と選択を尊重し、予定通り政権を移譲する」と書いた。

ビルマとも呼ばれるミャンマーの総選挙では、国会上下院(定数計664)のうち25%の軍人枠などを除く491議席が改選対象となった。47%の議席が確定するなか、NLDは改選議席の90%以上を獲得している。

NLDが安定多数を獲得し大統領指名権を得るには、少なくとも改選議席の3分の2にあたる329議席が必要。11日夜の時点でNLDは上下両院で256議席を獲得し、軍系の与党・連邦団結発展党(USDP)は21議席にとどまった。

スー・チー氏は政府に国民的融和への対話を求める書簡を送ったが、イェ・トゥ報道官はそのような会合を開くのは最終結果が発表された後だと述べた。さらに、開票結果の公表を遅らせるようなことはしていないと強調した。

選挙結果の確定がいつになるかは不明だ。

ミャンマーでは1990年の総選挙でもNLDが圧勝したが、当時の軍政は結果を無効としてスー・チー氏を自宅軟禁した。このためスー・チー氏は今回の大勝を受けても、慎重にことを進めていると特派員たちは指摘する。

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ラングーンもしくはヤンゴンと呼ばれる同国の主要都市で取材するBBCのジョナサン・ヘッド記者は、選挙結果は政権与党にとって屈辱的なもので、次期国会はNLDに対抗する力をもつのは軍部のみとなるだろうと指摘する。

スー・チー氏はヤンゴン郊外のコームー選挙区で早々に当選を決めた。NLDの党首ではあるが、外国人の子供がいると大統領にはなれないという現行憲法の規定のため、自身は大統領になれない。それでも「自分がすべて決めるのを妨げる要因にはならない」と発言している。

スー・チー氏は10日に軍の最高司令官と議会議長へあてた書簡で、「11月8日の選挙で明らかにされた国民の願いを平和的に実施する」方法を協議する会合を来週開催したいと呼びかけた。

「ザ・レディ」、アウン・サン・スー・チー党首

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  • ミャンマー独立の英雄アウン・サン将軍の娘。70歳
  • 1989年~2010年にかけて15年間、軍事政権に自宅軟禁される
  • NLDは1990年選挙で圧勝したが、軍政は結果を無効にし、スー・チー党首を自宅軟禁した
  • 「民主化と人権のための非暴力抵抗」を称えられ1991年のノーベル平和賞を受賞
  • 2010年の選挙に出馬できなかったが投票日の6日後に軟禁を解かれる
  • 2012年の議会補欠選挙で当選。政府は自由化政策の導入を開始

ミャンマーの総選挙は2011年の民政移管後初で、有権者は約3000万人。推定の投票率は約80%とみられている。

NLDをはじめ多くの政党がイスラム教徒の候補者を立てなかったことから、少数民族ロヒンギャなどイスラム教徒への支援が不十分だとスー・チー氏を批判する声もある。

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