プーチン露大統領、陸連ドーピング疑惑の調査指示

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プーチン露大統領とムトコ・スポーツ相
世界反ドーピング機関(WADA)の独立委がロシア陸連による組織的ドーピングの疑いを非難した問題で、プーチン大統領は11日、事実関係の調査を指示した。独立委が報告書を9日に公表して以来、この問題についてプーチン氏が公の場で発言するのは初めて。
スポーツ関係者との会合のため黒海沿いの冬季五輪開催地ソチを訪れたプーチン大統領は、会合に先立ち報道陣に「戦いはオープンでなくてはならない。スポーツの試合は正直に行われなければ面白くない」として、「スポーツ大臣をはじめ、何らかの形でスポーツに関わる同僚すべてに、この問題に最大限の注意を払うようお願いする」と政府としての取り組みを求めた。
大統領はさらに、もし問題が実際に発覚したら誰かが責任をとる必要があると述べ、「自分たちによる内部調査がぜひとも必要だ。世界の反ドーピング体制に、とことん開かれたプロフェッショナルな協力を提供していくのが不可欠だ」と強調した。
大統領の発言に先立ちムトコ・スポーツ相は、ロシア陸連のドーピングによって2012年ロンドン五輪の競技結果がゆがめられたという非難に反発し、英国の反ドーピング体制には「価値がなく」、ロシアよりもひどいと発言していた。
これについては英国の文化・メディア・スポーツ省が否定している。
ロシア陸連の組織的ドーピング疑惑 広がる波紋
WADA独立委の報告書は、ロシア陸連の組織的ドーピングへの国際陸上競技連盟(IAAF)の対応も不十分だとして批判。IAAFのコー会長はロシア陸連に、13日までに回答するよう求めている。
独立委のパウンド委員長は報告書で、2016年リオ五輪でロシア陸連を出場停止にすべきと勧告している。
しかし国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は11日、IOCにその権限はなく、あくまでもIAAFが決めることだと指摘。IOCとしては今後も、ドーピングを一切容認しない姿勢を貫き、WADA独立委が名指しした選手たちのドーピング疑惑が立証されれば、メダルを剥奪すると言明した。
ロシア陸連の資格停止を勧告 反ドーピング機関