テルアビブ、ヨルダン川西岸で襲撃相次ぐ 5人死亡

Israeli police inspect the site of a stabbing attack in Tel Aviv on 19 November 2015

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The attack in Tel Aviv occurred as people worshipped at a shop serving as a synagogue

イスラエル当局によると、19日にテルアビブとヨルダン川西岸で襲撃が相次ぎ、5人が死亡した。

テルアビブでは、ユダヤ教の礼拝堂として使われていた商業施設の入り口でパレスチナ人の男がイスラエル人2人を刺殺。ヨルダン川西岸では、イスラエル人、ユダヤ系米国人、パレスチナ人の3人がユダヤ人入植地の近くで襲撃され死亡した。

過去2カ月間相次いだ暴力事件で、これまでにイスラエル人15人とパレスチナ人数十人が死亡している。

死亡者のうちパレスチナ人の多くは、イスラエル人をナイフで襲撃した際に治安部隊によって射殺されている。このほか、ヨルダン川西岸でのイスラエル軍との衝突や、ガザ地区の国境沿いで起きた暴動でも死者が出ている。

共犯者を捜索

テルアビブで19日に起きた襲撃の目撃者、シモン・バクニンさんは地元英字紙エルサレム・ポストに対し、午後の礼拝が始まってすぐ、男が礼拝者たちを襲ったと話した。礼拝者たちは男を施設の外に押し出しドアを閉めたという。

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Security officials said the Tel Aviv attacker was a 36-year-old man from the West Bank

現場で取り押さえられたのはパレスチナ西岸の村デュラから来ていた36歳の男で、拘束時に軽いけがをした。

イスラム原理主義組織ハマスは「テルアビブで英雄的な襲撃」とツイートし、「戦士らに今後も続けるよう求める」とした。

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ヨルダン西岸のユダヤ人入植地近くで起きた襲撃の現場(19日)

テルアビブの襲撃から数時間後には、ヨルダン川西岸の混雑した交差点で車に乗った襲撃犯が発砲し、車ごと歩行者に突っ込んだ。襲撃で、18歳の米国人観光客のほか、50歳のイスラエル人とパレスチナ人の2人が死亡し、数人が負傷した。

イスラエル軍によると、容疑者は逮捕され尋問を受けている。治安部隊が共犯者がいないか付近を捜索している。

今年9月にイスラエル政府がエルサレム旧市街の聖地「神殿の丘」を閉鎖し、ユダヤ教徒の権利を拡大しようとしているとのうわさが広まったことが相次ぐ暴力事件の発端だとされている。ただ、イスラエル政府は否定している。