仏幼稚園教諭への「IS攻撃」は自作自演

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事件のあった幼稚園の前(14日)
パリ北郊オーベルビリエの幼稚園で14日、教諭が過激派組織「イスラム国」(IS)に関連した刃物による襲撃を受けたとする事件で、教諭の自作自演だったことが明らかになった。
検察によると、教諭は当初、幼稚園の教室にひとりでいたところを「イスラム国」と叫ぶ男に襲われたと語っていたが、自分でカッターナイフで傷を付けたことが判明し、捜査の対象は虚偽の訴えをした理由に切り替わった。
フランスでは、先月13日にパリで起きた連続襲撃事件を受けて、厳重な警戒態勢が続いている。
45歳の幼稚園教諭の名前は公表されていない。病院で体の脇と首の傷の手当を受けたという。
教諭は当初、午前7時10分にカッターナイフを持った男が「これはダーイシュのためだ。警告だ」と叫んで襲ってきたと話していた。「ダーイシュ」はISの別称。
オーベルビリエの位置と幼稚園
教諭の通報を受け、警察がオーベルビリエで「犯人」の捜索を展開したほか、パリ検察の対テロ担当部門もテロ関連の殺人未遂事件として捜査を開始していた。
ナジャット・バロー=ベルカセム教育相は14日に現場を訪れ、フランス国内の学校の安全対策を強化すると述べていた。
オーベルビリエのパスカル・ボーデ市長は教諭が襲撃をでっち上げた動機はまだ判明していないとし、教諭には20年の経験があり保護者からも「評価」されていたと述べた。
ISが発行する仏語発刊誌「ダール・アル・イスラーム」は先月、フランスの教師たちが世俗主義を教える神の敵だとして、殺害を呼びかけていた。