「ロシアのシリア空爆」で数十人死亡と 市場やオフィス

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イドリブ住民はロシア軍機が市内中心部を空爆と
シリア北西部イドリブの住民や活動家たちによると、ロシア軍機が20日、市内中心部の市場や民家、オフィスビルなどを数回にわたり空爆し、少なくとも43人が死亡、170人が負傷したという。死傷した中には子供も複数含まれるとの情報もある。ロシアは同地域での空爆を確認していない。
「ロシアのシリア空爆」で数十人死亡と 市民も犠牲か
イドリブは今年3月~4月にかけて、イスラム主義の反政府勢力連合が制圧。2014年のISによるラッカ制圧に続き、反政府勢力が掌握した主要地方都市として2カ所目だ。
イドリブの隣接する沿岸部はアサド政権の主要支持基盤なだけに、反政府勢力にとってイドリブは重要な攻撃拠点となっている。
ロシアは今年9月にシリアのアサド政権を支援する空爆を開始。過激派勢力「イスラム国」(IS)をはじめとする「テロリスト」のみが標的とロシアは説明しているが、現地の活動家たちは、攻撃対象は主に欧米が支援する反政府勢力だと主張する。
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瓦礫の間に生存者を探す民間防衛隊
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活動家たちによると、ロシアのイドリブ空爆で子供たちも死傷したと
20日には首都ダマスカス郊外で軍用バスが爆発し、数人が負傷した。
シリア内戦については国連安保理が18日に、来年1月初めからの和平協議プロセスについて決議を採択したばかり。停戦と和平協議開始の大枠については各国とも合意しているが、そのプロセスでアサド大統領が果たす役割についてはまだ大きな食い違いがある。
シリアでIS掃討の「有志連合」とは? 誰が何を
5年目に入ろうとしているシリア内戦によって、25万人以上が死亡している。国連によると、650万人が住む場所を奪われ、200万人の子どもが学校に通えず、430万人以上が国外に逃れた。