サウジ・イラン断交 トルコが自制求める

ニムル師の死刑執行に抗議するトルコのシーア派教徒(3日、イスタンブール) Image copyright EPA
Image caption ニムル師の死刑執行に抗議するトルコのシーア派教徒(3日、イスタンブール)

サウジアラビアによるイスラム教シーア派指導者の死刑執行を発端にした同国とイランの対立を受け、トルコ政府は4日、対立は地域の緊張を高めるだけだとして、双方に自制を求めた。

アナトリア通信によると、トルコのクルトゥルムシュ副首相は、中東地域が「すでに一触即発の状態にある」と指摘し、イラン国内でのサウジ大使館などへの攻撃を非難する一方で、シーア派指導者の死刑執行についても、トルコは「いかなる死刑、特に政治的な動機のある死刑」に反対すると述べた。

副首相は「サウジアラビアとイランは我々の友人だ。けんかをしてほしくないのは、この地域で最も避けたいことだからだ」と述べた。

サウジアラビアが2日にイスラム教シーア派の指導者ニムル師の死刑を執行したと発表したことをきっかけに、シーア派が主流のイランでサウジ大使館が襲撃されるなど、両国の対立関係が先鋭化。サウジアラビアが3日にイランとの断交を発表すると、4日にはバーレーンとスーダンが相次いでイランとの国交断絶を表明し、同調する動きが周辺国に広がった。

アラブ首長国連邦(UAE)も外交関係を格下げし、大使を召還した。

中東地域におけるスンニ派主要国のサウジアラビアとシーア派主要国のイランは、内戦が続くシリアとイエメンでそれぞれ対立する勢力を支援している。


スンニ派とシーア派

  • 632年の預言者ムハンマドの死を受けた後継者をめぐる争いが両派の分裂につながった
  • 推計では、スンニ派が世界のイスラム教徒の85~90%を占める
  • 両派は何世紀にもわたって共存してきたが、教義や儀式、律法、神学、宗教組織に違いがある

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Image caption サウジ領事館周辺を警備するトルコの警察(3日、イスタンブール)

サウジアラビアはイランとの経済関係を断絶、航空機便も停止するとし、サウジ国民のイランへの渡航を禁止するとした。

サウジアラビアのムアリミ国連大使は4日、イランが「我が国を含む各国の問題に介入するのを止めれば」、対立は解決できると述べた。

ムアリミ大使は、シリアとイエメンの内戦を終わらせる和平への取り組みに悪影響が及ぶべきでないとしつつも、イランのこれまでの対応を批判した。

同大使は「国交断絶の前もイランは和平への取り組みに協力的でなく、前向きでなかった」と述べた。

バーレーンの王家はイスラム教スンニ派だが、国民の大半はシーア派。バーレーンは4日、イランの大使館員らに48時間以内にバーレーンを出国するよう求めた。

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Image caption バーレーン西部のシーア派の村で若者たちがサウジアラビアによる死刑執行に抗議し道を封鎖した(4日)

スーダン外務省は声明で、「テヘランのサウジアラビア大使館やマスハドの領事館に対する野蛮な攻撃を受け……スーダンはイラン・イスラム共和国との国交をただちに断絶する」と述べた。

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