パリの警察署前で男性射殺 「シャルリ・エブド」襲撃から1年

パリ北部の事件現場から車両を迂回させる警官(7日) Image copyright AFP
Image caption パリ北部の事件現場から車両を迂回させる警官(7日)

フランスの風刺週刊紙「シャルリ・エブド」編集部襲撃から1年の7日、パリ警察は市内北部の警察署を襲撃しようとしたとされる男性を射殺した。調べによると男は、精肉処理用の大きなナイフを持ち、偽の自爆チョッキを身に着けていた。モンマルトル近くの警察署前で「神は偉大なり」と叫んだところで、射殺されたという。

警察は、射殺した男性の身元をモロッコ生まれのサラー・アリ容疑者と発表。フランス南部で2013年に起きた窃盗事件で有罪になった犯人と、指紋が一致したという。

AFP通信によると、警察は遺体からいわゆる「イスラム国」に「忠誠を誓う」と書かれた紙を発見。「シリア攻撃」についてフランスに復讐する意図も書かれていたという。服からワイヤーが出ているのが見えたため自爆犯かと思われたが、爆発物処理班が確認したところ、身に着けていたベルトに爆発物は仕込まれていなかった。

対テロ警察とフランス情報当局は、殺人未遂事件として捜査している。

事件を受けて現場周辺は立ち入り禁止となり、市内の警察や公共交通機関の警備が強化された。

事件の数分前には、オランド仏大統領が1年前の連続襲撃事件における警察の働きを称えたばかりだった。

昨年1月7日~9日にかけて続いたパリ連続襲撃では、「シャルリ・エブド」編集部襲撃を皮切りに、ユダヤ系スーパー立てこもり事件などが発生。警官3人を含む、計17人が死亡した。

追悼スピーチでオランド大統領は、2017年までに警官・憲兵を5000人増やし、「前例のない」規模でフランスの国内警備態勢を強化すると発表。治安当局間の協力拡大を呼びかけたほか、銃撃犯を今まで以上に有効に摘発するため、警官の銃器使用規則を見直しているところだと説明した。

11月13日のパリ連続襲撃で非常事態を宣言して以来、警察はテロ関連で25件の事件を摘発したと大統領は述べた。

シャルリ・エブド襲撃事件の関連ビデオ

お使いの端末ではメディアプレイバックはご利用になれません
「シャルリ・エブド」襲撃1年 仏大統領、警察を称え

テロの恐怖――ヒュー・スコフィールド、BBCニュース

検察によると、男がグートドールの警察署に近づいたのは午前11時半のことだった。男はその後、射殺された。

警察の捜査記録によると、ちょうど1年前にクアチ兄弟が「シャルリ・エブド」襲撃を開始したのも、やはり午前11時半だった。

関連性を疑う根拠はかなり強力なものに違いない。当局はこれをテロ事件と扱うと確認しているだけに。

昨年の事件追悼のため今週は様々な行事が行われている。男はそれを狙って大量殺人を計画したのだろうか?

もしそうだとしたら、昨年の攻撃に比べるときわめて粗末なものだった。そしてもちろん、11月13日の連続襲撃と比べても。しかしそれ自体に意味がある。聖戦主義はあらゆる形でやってくると、緊張するフランスの人たちに示したことになるからだ。練り上げられた大がかりな陰謀から、単独犯による小規模な攻撃にいたる、あらゆる形で。

小規模な行為でも、殺すことはできるのだ。


昨年1月7日~9日の連続襲撃で襲撃犯3人は警察に射殺されたが、聖戦主義運動とのつながりや、中東地域に共犯がいたかどうかについては完全に解明されていない。

パリの裁判所は7日、シリア在住とみられるフランス人サリム・ベンガレム被告(35)に所在不明のまま、テロ勧誘の罪で禁錮15年の有罪判決を言い渡した。「シャルリ・エブド」編集部を襲ったクアチ兄弟を含む、パリの聖戦主義ネットワークに関わっていたとみられている。

Image copyright Reuters
Image caption 警察署前の男性射殺を受け、近くの通行人を調べる警官(7日)

(英語記事 Charlie Hebdo anniversary: Paris police shoot man dead

この話題についてさらに読む