アルジャジーラ・アメリカ、終了へ

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アルジャジーラはアメリカ向け放送のビジネスモデルは「維持できない」と
中東のカタール政府が出資する衛星テレビ局、アルジャジーラは13日、アメリカ向けニュース・チャンネル「アルジャジーラ・アメリカ」を4月に終了すると発表した。アメリカ市場進出のため多額の投資を重ねたが、ビジネスモデルが「経済的な課題の前に維持できない」のが理由という。
アルジャジーラ・アメリカは2013年、CNNやFOXニュースに競合するニュース専門チャンネルを目指して開局した。
深い分析など重厚な報道内容を目指して、アメリカの一流ジャーナリストを多く採用するため数百万ドルもの投資を重ねたが、必要な視聴者数を獲得できなかった。
アルジャジーラは4月以降はオンラインでアメリカ報道を充実させていく方針という。
アルジャジーラ・アメリカは、ゴア元米副大統領が創設したテレビ局「カレントTV」を約5億ドルで購入し、アメリカでの放送権を獲得。全米の約6000万世帯に提供されていたが、政治ニュースサイト「ポリティコ」によると、2015年の平均視聴者数は1日1万9000人で競合他社よりはるかに少なかった。
アルジャジーラ・アメリカはそのほか、社員が幹部の差別的言動を批判したことで不当解雇されたと同社を相次いで訴え、この影響で開局時の最高経営責任者が交代するなど、様々な内部問題を抱えていた。