台湾総統選で野党・民進党主席が勝利 初の女性総統に

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蔡英文氏は中国に対する態度を明確にしていない。写真は、台北で投票する蔡氏。
台湾総統選が16日、投開票され、野党・民進党の蔡英文氏(59)が当選した。8年ぶりの政権交代で、台湾初の女性総統が誕生する。
中国からの独立志向の強い民進党を率いる蔡氏はこれまで、中国について態度を明示してこなかったが、「一つの中国原則」を認めない蔡氏の総統就任は台中関係の悪化につながるという批判の声もある。
与党・国民党の朱立倫主席(54)は敗北を認め、蔡氏の勝利を祝うと共に、国民党主席を辞任すると表明した。
台中関係においては、中国の習近平国家主席と台湾の馬英九総統が昨年11月、1949年の中台分断後初の歴史的な首脳会談を行ったばかりだ。
しかし取材する特派員たちは、有権者の選択に影響したのは中国との関係だけでなく、経済停滞への懸念だと指摘する。
台湾では過去70年の間、国民党がほとんど常に与党として中国との関係改善に注力してきた。民進党が政権を握るのは、陳水扁政権(2000年~2008年)以来8年ぶり2度目。独立志向の陳総統時代、中国との関係は悪化した。
大学教授出身の蔡氏はこれまで、中国とは「現状維持を希望する」と発言してきた。
現職の馬総統は、陳政権下での中台関係悪化などを批判し、08年に当選。しかし馬政権の経済政策によって経済格差が広がったという不満から、今回の総統選では民進党が支持を伸ばした。