【移民危機】スウェーデン、亡命希望却下の移民8万人を国外退去に

マルモに到着した移民と警官

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2015年時点でスウェーデンへの亡命希望者は人口あたり欧州最多だった。写真は電車でマルモに到着した移民と警官(2015年11月12日)。

スウェーデンのイェーゲマン内相は27日、難民申請を却下した移民8万人を国外退去させる見通しだと発表した。数年かけてチャーター機で国外に移動させる方針という。

「現時点では6万人程度だが、いずれ8万人に達する可能性がある」と内相は地元メディアに話した

2015年にスウェーデンに亡命を希望した移民は16万3000人で、人口当たりでは欧州最多だった。昨年手続きを済ませた申請5万8800件のうち、亡命が認められたのは55%だった。

移民が大勢到着している欧州各国では暴力事件を機に、移民に対する世論の対立が緊迫の度合いを増している。スウェーデンでは25日、西岸ヨーテボリ近郊の移民宿泊施設で25日、亡命申請をしていた15歳少年が、22歳の女性職員を刺殺した疑いで逮捕される事件が起きた。

スウェーデンの移民担当者によると、2015年に同国へ大人の同伴なしに1人で亡命を希望した未成年者は3万5400人。2014年の5倍に上るという。

隣国デンマークでは26日、移民の数を抑えようと、移民の持つ貴重品を没収する法案を可決。第2次世界大戦中のナチス・ドイツによるユダヤ人の財産没収のようだと批判されている。