【ジカ熱】性交渉でジカウイルス感染 米国で症例

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ジカウイルスは、妊婦が感染すると赤ちゃんに「小頭症」を引き起こす可能性が疑われている
米疫病対策センター(CDC)は2日、性交渉によってジカウイルスに感染した稀な症例が報告されたことを明らかにした。
ジカウイルスに感染したテキサス州ダラス市民は、本人はジカ熱が流行する地域に渡航していなかったが、パートナーがベネズエラを訪れていたという。
ジカウイルスは通常、蚊が媒介する。妊娠中に感染すると、胎児の脳が発達不全となり「小頭症」を引き起こす可能性が懸念されている。
世界保健機関(WHO)は1日、ジカウイルスの感染拡大を受け「国際的緊急事態」を宣言した。
オーストラリア・シドニーでも、最近カリブ海諸国に渡航した2人のジカウイルス感染が報告されている。
【ジカ熱】 性交渉でも感染 米国で初症例とCDC
ジカ熱の流行が最も深刻なブラジルでは、小頭症3670件とジカウイルスとの関連が疑われており、保健省によると、これまでに404件が確認され、先週の270件から増加している。
ダラスの症例は米国本土で確認された初めての感染例になる。ただし、海外渡航後に感染が分かった症例としては、すでにテキサス州で7例報告されている。
CDCのアン・シュカット副所長は、今回の症例は「渡航歴のない人」で初めてだと語った。同氏は、「蚊に刺されて感染したのではなく、性交渉で感染したと考えている」と述べた。
CDCは発表文で、ジカウイルス感染を防ぐために「蚊に刺されることや、ジカウイルス感染者の精子への接触を避けること」を推奨している。
WHO、ジカ熱は「国際的緊急事態」と宣言
米国では毎年2万5000人の赤ちゃんが小頭症と診断されている
国連財団で公衆衛生を担当するアラカ・バス氏はBBCの取材に対し、性交渉による感染が確かならば今回の症例は「重大だ」と述べた。同氏は、「HIV・エイズと同じくらい重大だ。今回は感染ルートが2つあり、ある意味もっと深刻だ」と語った。
CDCによると、性交渉によるジカウイルス感染例は2013年に仏領ポリネシアでも報告されている。
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ジカ感染が報告されている国