国連調査 アサンジ氏の主張認める

アサンジ氏(2014年撮影)

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アサンジ氏(2014年撮影)

国連の作業委員会は4日、ウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジ氏が「恣意的な拘束」状態におかれていると主張していた問題について、アサンジ氏の主張を認める判断を下した。BBCの取材で明らかになった。

アサンジ氏は、英当局による身柄確保を避けてロンドンのエクアドル大使館に滞在中。同氏は、国連の調査で自らの主張が認められなかった場合には、当局による逮捕を受け入れると表明していた。

アサンジ氏には婦女暴行の容疑がかけられており、スウェーデン当局が身柄の引き渡しを英国に求めている。しかし、同氏は2012年6月にエクアドル大使館に身を寄せ、当局による拘束を逃れている。

アサンジ氏は容疑を否認しており、大使館の滞在が「恣意的な拘束」に当たるとして2014年9月に国連に調査を求めた。国連作業委員会が5日に判断を示す予定となっていた。

法律専門家で構成された作業委は英国とスウェーデンで証拠を収集。作業委はこれまでも「恣意的な拘束」かどうかを判断した例がある。ただ、各国当局がこれに従う法的な義務はない。

パスポートの返却

オーストラリア国籍のアサンジ氏は、2010年にスウェーデン当局が出した「欧州逮捕状」に基づきロンドンで逮捕された。英国最高法院がアサンジ氏の身柄引き渡しを認めたのを受けて、アサンジ氏はエクアドル大使館に亡命を申請した。

アサンジ氏が創設したウィキリークスは、米国政府などの秘密文書をインターネット上で暴露している。アサンジ氏は、スウェーデンに移送されれば米国が自分の身柄の引き渡しを求めるだろうと語っている。

アサンジ氏の言葉としてウィキリークスがツイッター上で公表した内容によると、アサンジ氏は「国連があす、英国とスウェーデンに対する私の主張を認めないと発表すれば、5日正午に大使館を出て英警察の逮捕を受け入れる。さらに控訴できる見通しは実質的にないからだ」と表明。

その上で「しかしもし私が勝って、国家の不法行為が認められた場合は、パスポートの即時返却を期待する。逮捕しようという動きもなくなることを期待する」と述べた。

ロンドン警視庁は昨年10月、1260万ポンド(約21億7000万円)の費用が掛かっていたエクアドル大使館周辺の監視を止めると表明。ただ、「逮捕のため公然の戦術、および秘密の戦術」を展開するとしていた。

スウェーデン当局はその2カ月前に、ロンドンでのアサンジ氏尋問に向けて、エクアドル政府と合意できるだろうと意欲を示していた。

アサンジ氏がツイッター上で公表したコメント
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アサンジ氏がツイッター上で公表したコメント