ポーランドのワレサ氏に共産党スパイ疑惑が再燃

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ワレサ氏は1990年から95年までポーランド大統領を務めた(写真は昨年2月撮影)
ポーランドで民主化運動を率い、ノーベル平和賞を受賞したレフ・ワレサ元大統領が共産党政権時代に治安当局の協力者だったとの疑惑が再燃している。同国の歴史資料を保存する機関が入手した資料が発端となった。
資料は昨年死去した共産党時代のチェスワフ・キシチャク内相の妻が売ろうとしているもので、国民記録機関(IPN)が今週入手した。
IPNのルカシュ・カミンスキ―長官は、資料の信憑性は高いと述べた。
一方、ワレサ氏は長年にわたって疑惑を否定している。ポーランドのラジオ局は、資料は自分が書いたものではないとするワレサ氏の発言を伝えた。
カミンスキー長官は、279ページにわたる資料はまだきちんと分析されておらず、時期がくれば公開されると述べた。同長官によると、資料には秘密警察への協力を約束したワレサ氏の署名があるという。
IPNは共産党時代の犯罪について訴追する権限を持つ。
ワレサ氏は2008年のBBCとのインタビューで、スパイ疑惑を否定し、「全くそのようなことはなかった。秘密警察が行ったり書いたりしたことに私が関わったことは全くない」とし、「私が協力に応じるとした署名などはどこにもない」と述べていた。
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ワレサ氏は自主管理労働組合「連帯」のリーダーとして民主化運動を率いた(写真は1989年5月)
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「連帯」を記念する式典でポーランド・グダニスクの造船所を訪れたワレサ氏(2014年8月)