【米大統領選2016】トランプ氏とクリントン氏が各地で勝利 ブッシュ氏撤退

サウスカロライナ州の予備選勝利を家族と並んで祝うトランプ氏(20日)

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サウスカロライナ州の予備選勝利を家族と並んで祝うトランプ氏(20日)

米大統領選の共和党予備選と民主党党員集会が20日、南部サウスカロライナ州と西部ネバダ州でそれぞれあり、共和党では実業家ドナルド・トランプ氏が、民主党ではヒラリー・クリントン前国務長官が勝利した。サウスカロライナ州の共和党予備選で4位に終わったジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事は、選挙戦からの撤退を表明した。

トランプ氏は20日夜、サウスカロライナ州スパータンバーグの支援者集会で勝利宣言。「大統領選に出馬するのは大変なことだ。辛いし、嫌なことがいろいろある。意地が悪くて、残酷だ。でも素晴らしく美しい。勝てれば、素晴らしい」と大歓声に答えた。

トランプ氏は、不法移民に対してメキシコ国境に壁を造るという公約をローマ法王が「キリスト教徒ではない」と批判し、新たに注目を浴びたばかりだが、ニューハンプシャー州に続いて順調に2州目で勝利し、7月の党大会に向けて獲得代議員の数を増やした。

共和党ではほかに、保守派のテッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出)がアイオワ州で勝利した。2016年大統領選への動きが始まった当初は共和党最有力とされていたブッシュ元知事は、1勝もできないまま撤退を表明した。

父と兄が大統領経験者というブッシュ一族の元知事は、かつて共和党主流派の支持を一身に集めているとされていた。そのブッシュ氏の撤退を受けて、主流派の支持がマーコ・ルビオ上院議員(フロリダ州選出)に集まるのかが注目されている。

ルビオ氏は「この国は21世紀に向けて国を導く新世代の保守派を受け入れる段階だ」と述べた。

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民主党ではサンダース議員がクリントン氏に対して予想外の善戦(20日)

一方の民主党ネバダ州党員集会では、東部出身のバーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出)が予想外の善戦でクリントン氏に迫ったものの、僅差で敗れた。

ニューハンプシャー州で大差を付けられ敗北していたクリントン氏は、ラスベガスで支援者を前に「私たちを疑う人もいましたが、私たちは決して疑ったりしなかった。これは皆さんの選挙戦なんです」と呼びかけ、勝利を祝った。

クリントン氏は数週間前までネバダ州で圧勝すると思われていたが、サンダース氏の追い上げによって僅差の辛勝となった。両候補の支持率は伯仲している。

サンダース氏はこれまで、大学の無料化を訴えるなどして若者の票をつかんできた。黒人やヒスパニック系の低い支持率が課題とされてきたが、ネバダ州では黒人もヒスパニックも予想以上にサンダース氏を支持。米NBCテレビの出口調査によると、サンダース氏はヒスパニック系の票の53%を獲得したが、黒人票は22%にとどまった。

大統領選では、各州の予備選・党員集会で各候補が獲得した代議員は7月の全国党大会に出席し、それぞれの候補の指名獲得を支持するのが原則となっている。

<今後の主要日程>

2月23日――ネバダ州共和党党員集会

3月1日――「スーパーチューズデー」、15州・米領で予備選・党員集会

7月18~21日――共和党全国党大会、候補指名

7月25~28日――民主党全国党大会、候補指名

11月8日――米大統領選本選投票