北朝鮮制裁の国連決議に「重要な進展」=米中外相

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中国の王外相(左)とケリー米国務長官(23日、ワシントン)
米中は23日、核実験やロケット発射を実施した北朝鮮に対する制裁を強化する国連安保理決議に向けた協議に、「重要な進展」があったと発表した。
ワシントンで開かれた外相会談後に記者会見した中国の王毅外相は、「協議に重要な進展があり、決議案で合意し、近い将来に可決する可能性がある」と述べた。
会見に同席したジョン・ケリー米国務長官は、新たな決議案はこれまでに可決されたどの決議よりも厳しい制裁を含むものになると付け加えた。
中国はこれまで、北朝鮮を非難しながらも、隣国を不安定にする可能性のある制裁を科すことには慎重な態度を示していた。
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北朝鮮の国営テレビが放送したロケット発射時の映像から(今月7日)
北朝鮮は1月に「水爆」だと同国が主張する核実験を実施し、2月には長距離ロケットを発射した。各国は国連安保理決議に甚だしく違反する行為だと非難。安保理は緊急会合を開き、制裁強化に向けた協議の開始で合意した。
北朝鮮は、ロケット発射について衛星の打ち上げだとし、自国の宇宙開発計画は純粋に科学的な目的だと主張している。しかし、米国や韓国に加えて、北朝鮮の友好国である中国でさえも、ロケット発射は大陸間弾道ミサイルの開発が目的だと考えている。
ロケット発射から間もなく、韓国は北朝鮮の脅威に対抗するためミサイル防衛システムを配備することについて米国を協議を始める考えを示した。米国は独自の対北朝鮮制裁を強化した。
1月の北朝鮮の核実験は、2006年以来4回目。実際に水爆実験だったのかは確認されていない。多くの専門家は、北朝鮮はミサイルに搭載できるような小型の核爆弾を開発できていないとみている。
専門家たちは、今年予定される朝鮮労働党の第7回党大会を前に、金正恩第1書記が権力を誇示するため、核実験を実施したという見方だ。
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ロケット発射の命令に署名する金正恩第1書記