【米大統領選2016】ネバダ州でトランプ氏圧勝 党員集会

ネバダ州で支援者に囲まれるトランプ氏(23日)

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ネバダ州で支援者に囲まれるトランプ氏(23日)

米大統領選に向けた共和党のネバダ州党員集会が23日行われ、最有力候補の実業家ドナルド・トランプ氏が圧勝した。ニューハンプシャー、サウスカロライナ両州に続き3連勝となる。

対抗馬のマーコ・ルビオ上院議員(フロリダ州選出)とテッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出)が2位争いを繰り広げている。共和党の全国党大会にネバダ州が送りこむ代議員は30人で、全体の1%余り。

ネバダ州にはラティーノ系の住民が多く、本選では結果を左右する激戦州とみられている。民主党ではヒラリー・クリントン前国務長官が20日、同州で勝った。

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「低学歴の人たち、大好きだ」 トランプ氏

米テレビ各局が「トランプ氏勝利確実」と報道し始めると、ラスベガスのトランプ陣営に集まった人たちは大声で歓声を上げた。早々に勝利演説をしたトランプ氏は「勝ってる、勝ってる、この国で勝ち進んでる。近いうちにこの国も、勝って、勝って、勝ち進むぞ」と盛り上げた。

党員集会の会場のひとつとなったラスベガスの高校で取材していたBBCニュースのアンソニー・ザーカー北米担当記者は、会場は雑然としていたと話す。投票受付は予定より遅れ、長蛇の列が続き、どこで投票するのか集まった人たちには情報が伝わらず、投票箱の管理も不十分だったという。ただし、不正投票があったようには見られなかったという。

共和党ネバダ州委員会は「不正投票や規則違反があったという正式な報告はない」と説明。共和党全国委員会の広報担当はAP通信に対して、二重投票があったという噂を懸念していると話した。

党員集会は現地時間の午後7時(日本時間24日午前10時)に始まり、3時間に及んだ。共和党支持者たちは支持する候補についてオープンに議論した後、秘密投票する仕組み。

各州で行われる党員集会や予備選で各候補がそれぞれ代議員を州ごとに獲得し、その代議員たちが7月の両党全国大会で候補に投票した結果から、両党の候補が決まる。

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クルーズ候補の演説を聞きに集まった人々(今月21日、ネバダ州)

トランプ氏は党員集会前日の22日、クルーズ議員と批判合戦を展開。トランプ氏は議員の選挙戦術を批判し、「病んでる」と非難した。クルーズ氏はこれに先立ち、ルビオ議員の宗教観を捻じ曲げて伝え中傷したビデオをめぐり、選対スポークスマンを解雇している。

トランプ氏の批判に対してクルーズ氏は23日、トランプ氏は選挙の論点や政策課題について「風見鶏」だと批判。一方でルビオ氏は「皆さんの票が必要です!」と、党員登録している共和党支持者に、党員集会への参加を呼びかけていた。

2人ともラティーノ系議員のクルーズ氏とルビオ氏が競い合う状況が色濃くなるなか、選挙運動でお互いを攻撃する場面が相次いだ。

一方、元外科医のベン・カーソン候補は、オバマ大統領について「育ちは白人だ」と述べ、各メディアが大きく取り上げた。カーソン氏はオハイオ州のジョン・ケーシック知事と同様、共和党候補の中で下位にある。

ケーシック氏は、バージニア州やミシガン州など党大会の代議員数が多い州での支持獲得に注力している。

共和党では、1カ月前には12人の立候補者がいたが、これまでに5候補まで絞られた。党主流派が支持していたジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事は、20日に行われたサウスカロライナ州の予備選後に撤退を表明した。

<今後の主要日程>

2月27日――サウスカロライナ州 民主党予備選

3月1日――「スーパーチューズデー」、15州・米領で予備選・党員集会

7月18~21日――共和党全国党大会、候補指名

7月25~28日――民主党全国党大会、候補指名

11月8日――米大統領選本選投票