北朝鮮への新制裁案、米が安保理に提出 中国支持

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安保理協議へ向かうサマンサ・パワー米国連大使(25日)
米政府は25日、北朝鮮の核実験やミサイル発射に対する新しい制裁決議案を国連安全保障理事会に提出した。制裁を強化する内容を、中国も支持している。採択されれば、北朝鮮へ出入りするすべての貨物に対する国連加盟国の検査を義務付けるのは初めてとなる。採決は週末に行われる見通し。
サマンサ・パワー米国連大使は、北朝鮮に対して20年来で最も厳しい安保理制裁になると述べた。
「史上初めて、北朝鮮に出入りするすべての貨物について、検査が義務化される。一連の制裁が採択されれば、北朝鮮政府に明確で揺るぎないメッセージとなるはずだ。世界は、あなたたちによる核拡散を容認しない、あなたたちの行動には代償が伴うと」とパワー大使は強調した。
新しい制裁では、北朝鮮が世界中の港に禁輸品を運ぶことができなくなり、小型武器も禁輸措置の対象となる。
さらに、北朝鮮からの石炭、鉄、金、チタニウム、希土類(レアアース)の輸入も禁止されるほか、ロケット燃料を含む航空燃料の提供も禁止となる。
北朝鮮による1月の核実験と2月の長距離ロケット発射について、あからさまな国連決議違反だと多くの国が批判した。中国は批判する一方で、これまでは隣国で友好関係にある北朝鮮の安定を脅かすような制裁措置には慎重な姿勢を示してきた。
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北朝鮮の国営テレビが放送したロケット発射時の映像から(今月7日)
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北朝鮮報道によると、金正恩第1書記が朝鮮人民軍軍楽団の創立70周年記念コンサートを鑑賞(23日)
北朝鮮制裁については、数週間におよぶ米中協議を経て、ワシントンでジョン・ケリー米国務長官と王毅中国外相が最終的に合意に達したことから、25日の制裁決議案提出となった。
北朝鮮は、ミサイル計画は純粋に科学的な目的だと主張している。しかし、米国や韓国に加えて、北朝鮮の友好国である中国でさえも、ロケット発射は大陸間弾道ミサイルの開発が目的だと考えている。
1月の北朝鮮の核実験は、2006年以来4回目。北朝鮮は水爆実験だと主張している。