北朝鮮、米国と韓国に核攻撃の警告

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北朝鮮は例年の米韓合同軍事演習は、両国による北朝鮮侵略の準備だと非難する。写真は昨年8月の米韓合同軍事演習
北朝鮮は6日、米韓両軍が7日から韓国で始める合同軍事演習を非難し、遂行するならば米韓両国に「無差別の」核攻撃を実施するとの談話を発表した。「正義の核先制攻撃」を実施する方針という。
米韓両が毎年行う兵士数万人規模の合同軍事演習は、米韓による侵略の予行演習だと、北朝鮮は常に強く反発してきた。北朝鮮が強い調子で両国を批判し、攻撃を警告するのは珍しくない。専門家たちは、ミサイルに核弾頭を搭載できる技術を北朝鮮が獲得したか疑問視している。
昨年の北朝鮮は、ワシントンを「火の海にする」と警告していた。
北朝鮮は、「情勢がこれ以上放置できない険悪な状況に至っており、敵に対するわれわれの軍事対応をすべて先制攻撃の方式に転換する」との報道官談話を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。
核兵器使用の兆候などがある場合に特殊部隊が北朝鮮首脳部を狙う作戦計画に言及し「今回の演習が侵略の性格を露骨にさらけ出した危険千万な戦争行為だと如実に物語っている」と批判した。
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昨年8月の米韓軍事演習は軍事境界線に近い韓国・抱川で行われた
今回の合同軍事演習「キー・リゾルブ」と野外機動訓練「フォールイーグル」には、韓国軍30万人と米軍1万5000人が参加する最大級のものになる予定。
北朝鮮については国連安保理が2日、核実験や長距離ロケット発射を受けて制裁を強化。これを受けて北朝鮮は3日、日本海へ短距離ミサイルを発射した。さらに国営通信は、先制核攻撃の実施に向けて軍の態勢転換を金正恩第1書記が指示したと伝えた。
5日にはフィリピン政府が安保理の制裁決議に基づき、北朝鮮の貨物船を差し押さえた。
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昨年8月の米韓合同軍事演習
米韓両政府は4日、在韓米軍への終末高高度域防衛(THAAD)ミサイル配備に関する実務協議を正式に開始した。THAAD配備については、北朝鮮のほか中露も強く反発している。中国政府はTHAADが自国の安全保障と核抑止力を損なうものだと批判している。